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film.2 ページ2

1960年


それは今から60年くらい前

テレビよりも映画にお客が集まっていた頃。



「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」


俺、佐久間咲也は映画監督を目指しながら、天鵞絨大映撮影所で映画を作るお手伝いをしていた。


お手伝いといっても、小道具や大道具を作ったり撮影の準備をしたり。


まぁいわゆる…「雑用、な。」


咲也「あ、綴くん!」


綴「おはよ。」


今日も徹夜明けだ〜と大きくあくびをしながら俺の隣を歩く。


彼は皆木綴くん。


俺と同じ映画監督を目指していて一番の理解者であり、一番のライバルでもある。


綴「さっき何喋ってたんだ?ひとりで。」


咲也「い、いや!なんでもないよ!」


綴「そっか、まぁいいや。今日も頑張るか〜。」


うん!と答えてお互いに配属された場所に向かう。


「摂津さん入られまーーすっっ!!!!」


誰かか大声で叫んだ瞬間その場にいたキャストもスタッフも全員頭を下げる。

もちろん俺も。


赤い高級車から降りた彼はずいぶんお高そうな茶色いスーツに革靴をはいてやってきた。


摂津万里さん。


幼い頃から子役として活動し続けて20歳になった今でも映画に舞台に雑誌の表紙に…とにかく引っ張りだこの大物俳優だ。


万里「よろしく〜」


馴れた手つきで手を振りながら楽屋へ向かう摂津さん。


うわぁ…


男の俺でも見とれるくらいハンサムで顔が小さくて背が高い…


俺も頑張らないと!と思いながら、自分の仕事をはじめる。


今日は…あ!ラストシーンの背景を描くのを終わらせないと!



俺はペンキを両手に抱え張り切って駆け出した。

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作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年11月14日 18時

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