【太宰治】この度タイムトラベルして父が生きてる未来を作ることになりました。誰か異議ある人はてぇーあーげてぇー！

伝言 ページ41

太「…伝言。」


お父さんがポツリと呟いた。


その目は私を見ていなかった。


貴「え？」


太「伝言、頼まれたんだろう？」


そうだ、作からの伝言を伝えなければ。




貴「『俺は後悔していないし、誰も恨んではいない。

お前も、何処かの“社畜の極み”もな。』


だって。


昨日の私達の会話、聞いてたみたいだね。」




あはは、と笑いながら私は話しながら、反応を待つがお父さんは止まったまま動かない。




太「…Aちゃんとは会うのに、私とは会ってくれないんだね。

…織田作。」




お父さんは大人だ。




私よりも背が高くて





(やるかどうかは別として)仕事も出来て





何より私のお父さんだ。





でも何処かで大人になる為のパーツを取りこぼしながらここまで来てしまったのかもしれない。




頭はいいし、探偵社員になった今なら思いやりだってあるだろう。




でも、何処か大人じゃない。




大人だけど大人じゃない。




私がタイムトラベルしてきたのはこの国を救う為だ。




でも、私が過去に戻った事で爆発はもう防ぐ事は出来るだろう。




だから今私のすべき事はお父さんを救うことだ。



でも、と私は思う。




お父さんの大事な友達だった作が死んでしまった時点で




お父さんの大切な友達だった安吾さんが自分達を裏切った時点で





お父さんを救おうとするのは、






もう手遅れなのではないかと。






ねぇ作。私を飛ばすのは、本当に八年前でよかったの？

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