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「誰か！きて！！」
家の玄関扉を乱暴に開け、中に転がり込むと同時に、大声で助けを求める。
その間も、ほとんどまともに呼吸が出来ず、顔色も悪くなっていく五郎の背中を摩る手は止まらない。
「しろちゃん！？ちょっ！どうしたの！？」
「発作！やばい！」
「ごろ、大丈夫だかんな！いっちゃーん！！ごろ発作！！」
四郎の声にリビングから顔を出した三郎は、事態を把握すると急いで五郎の身体を抱き起こし、2階にいるはずの一郎を叫ぶように呼んだ。
「さぶ！車用意して！しろは病院連絡出来る！？」
「分かったっ…」
ネブライザーを持って階段を駆け下りてきた一郎は、２人に指示を出し、五郎の処置を始める。
「ごろー、すぐじろのとこ連れてってやっからな。頑張れよー」
優しく声をかけながら、口元にマスクを当てるが、これもあまり意味がないだろう。
雨でびしょびしょの服も着替えさせたいが、そんな悠長なことも言っていられなさそうだ。
「じろ兄がすぐ連れて来いって」
「ん。しろ、２人分の着替えだけ持ってきて」
「はい」
「いっちゃん、車と荷物オッケーだよ！」
「あんがと」
ぐったりしている五郎を抱えて車へと急ぐ。
全員が乗ったことを確認すると、車は雨の中へと走り出す。
フロントガラスを叩く雨の音が煩い。
一郎は、隣に座る四郎の微かに震える白い手をぎゅっと握った。
「しろ、ありがとな。びっくりしただろ」
「必死だったんで、あんま覚えてません」
「だよなー。でも、一緒にいてくれて良かったよ」
帰りの車内。
ちょうど仕事終わりだった二郎も一緒に家へと戻る。
発作が治まり疲れきって眠る五郎を抱き抱えたまま、二郎は双子の頭と背を、それぞれ労うように撫でた。
「あ！そういや晩ご飯！」
「え、何急に…」
「いやだから、晩ご飯何もないよって話」
「よーし、買いに行こー！」
「行こ、行こー！俺、唐揚げ〜！」
「またかよ！俺は蕎麦〜！」
「ねぇ、うるさい…」
「いっちゃんはー？魚にするー？」
「んん…」
「しろうはハンバーグだろ！ごろーはカニクリ…」
「じろさぶ！」
「「はい！！」」
「お黙り」
「「はい…」」
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にひひ - とっても面白かったです！ありがとうございました。 (2020年8月1日 7時) (
レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» お待たせして、申し訳ありません。ご希望に添えたかどうか不安ですが…リクエストありがとうございました。 (2020年7月31日 18時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストです。雨の日に発作が起き家の治療でも治らず病院へ発作が収まり家に帰るとまた発作がというお話をお願い致します。発作はどっちも大きいものでお願いします (2020年7月24日 17時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» ご期待に添えるものが書けるかどうか分かりませんが、それでもよろしければリクエストお受け出来ます。 (2020年7月23日 21時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストいいですか？ (2020年7月23日 15時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちこ | 作成日時：2020年4月23日 20時
