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子どもの頃から、家族の誰かが風邪をひくと、その人は必ず隔離され、俺は絶対に近付かせてもらえなかった。
今でもそうだ。
兄弟が体調不良で寝込んでいても、看病は愚か様子を見に行くことすら渋い顔をされる。
だから、しろがこうやって俺から距離を置こうとするのも仕方のないことなのかもしれないが、でも今回は状況が違う。
俺の他には誰もいないのだ。
看病出来るのが俺しかいないことが分かっていて、素直にじゃあお大事に、という訳にはいかない。
体調を崩した時の辛さは、自分が一番よく分かっているから、尚更。
「しろ、俺大丈夫だから、とりあえず顔見せて」
「ごろくん、頼むから。ゲホッゲホッ…本当に俺は大丈夫だから」
お互い「大丈夫」の応酬で埒が明かない。
こうなったら最後の手段だ。
「しろがここ開けてくんないんなら、俺鍵壊すもん持ってくる。待ってて」
「ちょちょちょっ！ゲホッ待って、ごろくん！」
「だってこれじゃあ埒が明かない。いち兄には後で謝るから」
「分かった！分かったから！…っ力に訴えるのはやめてください…」
その数秒後、ようやく天の岩戸ならぬいち兄の部屋のドアが開いた。
そこから渋々顔を出したしろの顔色の悪さに、俺は思わず捲し立ててしまう。
「うわっ！何その顔色！ねぇ、熱は？測った？咳の他に症状は！？病院行く！？」
「とりあえず、ごろくん落ち着いて」
「落ち着いていられるか！もう〜！！しろのバカっ！」
「病人に向かって何てことを…」
こんなになるまで気付いてやれなかった自分に、ここまで言わなきゃ顔すら見せてくれないしろに、こんな時でも役に立たない自分にとにかく腹が立って、思わず理不尽に叫んでしまう。
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にひひ - とっても面白かったです！ありがとうございました。 (2020年8月1日 7時) (
レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» お待たせして、申し訳ありません。ご希望に添えたかどうか不安ですが…リクエストありがとうございました。 (2020年7月31日 18時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストです。雨の日に発作が起き家の治療でも治らず病院へ発作が収まり家に帰るとまた発作がというお話をお願い致します。発作はどっちも大きいものでお願いします (2020年7月24日 17時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» ご期待に添えるものが書けるかどうか分かりませんが、それでもよろしければリクエストお受け出来ます。 (2020年7月23日 21時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストいいですか？ (2020年7月23日 15時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちこ | 作成日時：2020年4月23日 20時
