心の内 ページ18
ルパンside
A「見て、見て！鶴！！」
次元「A、そのくだり5回目だぞ。」
3人がこの家に居なかった長い間、Aは隣のおじいちゃん・おばあちゃんの家で留守をしていた為、折り紙を沢山覚え作っていたのだ。
その為なのか家に帰ってきた時には折り紙が机全体に覆われ、溢れ返っていた。
次元「A、ちょっとの間だけ黙っててくれねえか？今忙しいんだ。」
お風呂から上がって赤くなった頬をこれでもかという程膨らませるA。
次元「後で見てやるから！」
鶴を沢山作っては見せるを懲りずに続けていたが、俺と次元はデータの解析をしているし、五右衛門は縁側で刀磨いてるしで誰も見てやれていなかった。
A「はーい。」
意外と素直。
A「せっかくいっぱい作ったのにな〜。」
大量に作った鶴の折り紙を綺麗に缶に入れて肩掛けバックにしまいこむ。
縁側に座っていた五右衛門の元へそそくさと行き、刀を仕舞ったのを合図に背中合わせにちょんと座る。
しばらく無言のままだったがバッグからひとつの鶴を取り出した。
A「ねぇ、お父さん。お母さんにもあげたら喜ぶかな？」
五右衛門「…そうだな。」
少し笑みを見せてから素っ気なく答えて外に向き直り、ただただ月を眺めている五右衛門。
何かを感じとったのか何も言わずに立ち上がり、後ろからハグをした。
A「お部屋、先に戻ってるね。おやすみなさい。」
五右衛門「あ、あぁ。おやすみ。」
普段あまり自分からハグなんてしてこないAの行動に少し驚いたのか固まっていた五右衛門。
ようやっと喋り、Aの頭を撫でた。
2階の部屋に戻る為少し背伸びをしてドアノブに手をかけた。
ルパン「A…」
A「ルパン！次元！おやすみなさい。」
ルパン「あぁ…おやすみ〜。」
次元「おー。」
これは相当引き摺ってるな。そう思い、五右衛門の居る縁側に腰をかけ、タバコに火をつけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋色 | 作成日時：2021年10月3日 18時
