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黒「随分と立ち向かうまで時間を要していたが、他の剣士の手当てをしていたのか。
全く、いずれ死ぬ者達に無駄なことを。
だがこの時代でも戦える女剣士がいるのだな、懐かしや。」
その鬼は遠くから見ていた以上に異様な剣技で、攻撃の隙がない。
自分の技でその変な曲がり方をする斬撃を防ぐのが精一杯。
黒「そして炎の呼吸、私の時代の炎柱が編み出した型通りの動きだ、美しい。」
技を放つタイミングで無一郎と実弥が左右から視界に入る。
無一郎邸での稽古(だったようなあれ)のように、二人が剣技を重ねてくれる。
そこに悲鳴嶼さんも加わり、少しずつ詰め寄るが、傷はつけられなくて。
何度挑んでもわたしの刃は届かない。
ああ、もっと自分の技が強ければ。
自分の心の弱さで任務から遠ざかっていたことを、こんな形で悔やむとは。
でもそんな日々があったからこその縁は、たくさんあって。
無一郎と玄弥くんはそんな縁から強くつながった大切な二人だ。
今何かを後悔しても仕方ない。
ここまで懸けられなかった分、今こそ、命を懸けて。
あの日々が、その縁が、よりわたしを強くしてくれたと信じて。
これ以上誰の笑顔も失わないように。
技を繰り出した反動で跳んだ時、無一郎と空中で目が合った。
とっても顔色が悪くて、大丈夫?の意味を込めて見つめると、
その目はまだ諦めていなくて、なんだかふっ、と口の端が上がったように見えた。
そのまま、鬼から距離をとる。
もしかして、みんなで一斉に…?
悲鳴嶼さんと実弥も無一郎の動きを見て呼応するように下がった。
同時に地面を強く蹴り上げ、鬼に向かって全速力で走る。
黒「兇変 天満繊月」
そのとき鬼が繰り出した技の威力はとてつもなくて。
飛んでくる斬撃をかいくぐるのでやっと。
というか、かいくぐりきれてないけど、まだどうやら手足はくっついてる。
そんな中、鬼により近づいている無一郎。
どうか、活路を。
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金平糖 - うぅ...感動しました... 一気読みしたんですが、一気読みしたからこそ凄く感動しました。こういう系の話には弱いので、、、 (2021年10月2日 23時) (レス) @page45 id: f3f7dadf62 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - 不死川の夢小説少なかったのでとても嬉しかったです!出来れば続編も読みたいです、お願いします。一つ…鬼舞辻が鬼゙無゙辻になってたので、そこは直して頂きたいですね。 (2020年12月11日 7時) (レス) id: cedaea8f17 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - ろこもさん» 完結おめでとうございます!素敵な作品でした!実弥と夢主が幸せになれて良かったです(はぁと)ろこもさんも大好きです!ありがとうございました! (2020年8月7日 5時) (レス) id: abbc87cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - 我妻ライさん» 我妻ライ様!返信遅れてしまいすみません!絶叫嬉しい限りです!元気が出て頑張れました!!読んでくださりありがとうございます! (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
ろこも(プロフ) - かぼさん» かぼ様!返信遅れてしまいすみません…!一気読みありがとうございます!実弥さんを表す文章力が足りませんが、より好きになるお手伝いができれば嬉しい限りです…ありがとうございます…! (2020年8月7日 0時) (レス) id: ef1ad6d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろこも | 作成日時:2020年7月7日 22時