ラブセレナーデ16

番外編1 晴SIDE ページ24

Aの実家に届いた招待状に勝手に出席にマルをつけて返信した、伊織の結婚式の日。


私はレッドオレンジのドレスを、Aはトルコブルーのドレスをレンタルした。

こんな時にも青を選ぶんだ。と笑うも、Aには青が一番似合っている気がする。






Aの左手の薬指に光る指輪。


華奢なデザインのブレスレット。


小さなダイヤがついた蝶のデザインのネックレス。






ウッチー、信じられない位大きなダイヤのついた指輪を買おうとしたんだよ。デヴィ夫人かって、思わず突っ込んじゃったもんね 笑。とか、

ネックレスも「舞踏会に行くのか！」っていう位煌びやかなものを買おうとしたんだよ 笑。とか、このセンスはウッチーには無理だったな 笑。とか、


ウッチーとのパリでの珍道中を話してくれた麻也は、すごく楽しそうで

違うな。嬉しそうで。



その話を聞いている私も、嬉しくて。



そんなウッチーの愛がたくさん詰まった贈り物を身につけているAは幸せそうで、そんな幸せそうなAに、私も麻也もやっぱり嬉しくて。








A『晴と麻也と隣の席だ。嬉しい 笑』


そんな小さな事にも笑顔になるAが、私は大好きだ。





旧姓で用意されていたAの席札を手に取り、旧姓に二重線を入れ「内田」とこっそりとボールペンで訂正する私を見て、Aはまた笑った。








晴「今日は、自分達の結婚式の参考にしなよ」


A『うん 笑』






グリーンの打掛で登場した伊織を見て『伊織ちゃん、綺麗だね』とAが言ったけど、私にはAの打掛姿の方が綺麗だろうな。と思った。



お色直しで白いウェディングドレスを着た伊織を見て『伊織ちゃん、本当に綺麗』とAが笑ったけど、私はAのウエディングドレス姿の方が綺麗だろうな。と思った。



最後のお色直しでピンクのドレスを着た伊織を見て『あのドレス、伊織ちゃんに似合うね』とAが嬉しそうに笑ったけど、私はAのドレス姿の方が綺麗だろうな。と思った。






・




A『伊織ちゃん、幸せそう 笑』



花嫁よりも幸せそうに笑うA。




・






伊織の結婚式なのに何故かAの結婚式と被って、泣けた。


大好きなAももうすぐあの場所に立つんだと思うだけで、泣けた。


綺麗なドレスを着て笑うAを想像するだけで、泣けた。



ウッチーの隣で幸せそうに笑う、私が大大大好きなAの姿を想像しただけで。涙が、止まらなくなった。

番外編2 麻也SIDE→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す