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Aの元に俺の伝言を伝えに行ったユリアンが、なかなか帰って来ない。
ユリアンのドイツ語がわからないのだろう。
笑顔で話すスイの隣で首を傾げてユリアンを見つめるAの姿が可愛く、また顔がニヤケている事に気づいた。
「ウッシー。伝えて来たよ」
「ん」
「Aから伝言」
「何？」
「ミドリと一緒に帰る だって。フラれたな、ウッシー 笑」
「…」
楽しそうなユリアンの頭を軽く小突き、クールダウンのランニングを始めた。
「…俺、フラレたの？」
俺の言葉に、電話越しにフフっと笑うA。
『そう。私は、翠さんを選んだの 笑』
「…へぇ。帰ったら、覚えててね」
『怖いよ、篤人 笑』
「今、どこ？」
『翠さんと、ファンショップでグッズを見てる』
「もう帰るよ。俺がそっちに行く訳にいかないから、ファンショップの右側に、」
『翠さんと帰る 笑』
「どうしても？」
『どうしても 笑』
「……スイも誘って、寿司食いに行くかって言ったら？」
『翠さんの車で、翠さんと一緒に行く 笑』
やっぱ頑固だね、Aは。
座高男が何度か連れて行ってくれた寿司屋の名前をAに告げ、一人で向かった。
『お疲れ様、篤人』
襖を開けると俺を待っていたのは、恋人の笑顔。
スイと隣同士に座っている事に少しがっかりし、Aの前に腰を下ろした。
「何でも食いな」
「じゃぁ、一番高いお寿司頼んじゃおうかな。ねー、Aちゃん」
『賛成！』
Aは大好きな人と一緒にいると、本当に嬉しそうな顔をする。
麻也、晴ちゃん、ご両親、スイ、絢子さん、アニカ。
…座高男と元上司の前では、違うけど。
俺と一緒にいる時、ちゃんとAを笑顔にしてあげられてるかななんて、お茶を飲みながら考えていた。
「あ。イクラ、食う？」
『食べる。じゃ、篤人にウニあげる』
「ん」
しばらくして、Aがお手洗いに立った。
Aの気配が消えた瞬間、スイがふふっと笑う。
「なに？」
「篤人君、Aちゃんがいると終始嬉しそうな顔をするなって思って」
「…そんな事ないと思うけど」
「さっき、チームメートが私達の所に来たでしょ？その時も、ずっとAちゃんを見てた」
「…気のせいじゃない？」
「ずっと口の端が上がってたよ。今も、ずっとね 笑。でもね、」
「ん？」
「Aちゃんも、篤人君と一緒にいると、本当に幸せそうな顔をしてるよね」
スイの言葉が嬉しく、またニヤケそうになる口元を懸命に手で隠した。
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ぅき(プロフ) - 麻也さんの毛糸のマフラーと帽子のトコロ声だして笑っちゃいました（笑） (2015年6月13日 19時) (
レス) id: 4a1d64e5a7 (このIDを非表示/違反報告)
moe - お話素敵だし、面白いです！これからも楽しみにしてます！ (2014年1月7日 7時) (レス) id: 9b2f89ef4f (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - akさん» akさん、ありがとうございます！まだまだウッチーの愛は、続きます。『ラブセレナーデ7』も今日から始まりました。これからもお付き合い下さい！ (2013年12月23日 15時) (レス) id: 8dc9ee950c (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - みのりんさん» みのりんさん、ありがとうございます。『ラブセレナーデ7』、始まりました！これからもよろしくお願いします！ (2013年12月23日 15時) (レス) id: 8dc9ee950c (このIDを非表示/違反報告)
ak(プロフ) - 楓の気持ちもわからなくないんだけど、蒼のメールがとてもありがたい。追加メニュー至れり尽くせりですね。どれだけ好きなんだまったくー。……待ち遠しい。つぶやく内田さん可愛いなあ。笑 (2013年12月19日 12時) (レス) id: 4833591332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2013年11月20日 15時
