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電気も消えた真っ暗な部屋。
同部屋の顔長男はとっくに寝ているのか、部屋はシーンと静まり返っている。
唯一の部屋の明かりは、ベッドの中でいじっている俺の携帯の照明だけ。
時間は23時55分。
一番待っている人からのメールは、今日はまだ届かない。
メールを受信したのは、23時59分。
画面に表示されたのは、Aという名前と”おめでとう！篤人”という文字。
たった8文字のメッセージに、こんなに心が躍るのか。
Aから送られて来たメールをずっと眺めているといつの間にか時計は12時を廻っていて、その瞬間メールが次々と届いた。
届いたメールを確認せずに、そのまま携帯を持って部屋の外に出る。
パタンとドアが閉まるよりも、表示させた連絡先をタップする方が早かった。
何度か鳴るコール音。
数秒の時間でさえ、こんなにもどかしい。
『おめでとう、篤人』
電話の向こうから耳に届いたのは、俺の大好きな声。
「…フライングじゃない？」
『一番に祝いたくて待ち構えてたんだけど、指が送信のボタンに触れちゃった 笑』
「…ふーん」
恋人が携帯を持って12時を待ち構える姿を想像し、頬が緩んだ。
『一番に届いた？おめでとうって』
「…まぁね。フライングはズルいけど」
『良かった 笑。おめでとうメール、たくさん届いた？』
「さぁ。すぐAに電話したから、わかんねー」
『そっか。でも珍しいね、こんな時間に起きてるなんて』
「誰かさんが、フライングメールするからね」
『あはは。起こしちゃった？』
「別にいいけど。あ。明日、7時25分に電話くんない？俺、目覚ましだけだと起きれないかもしれないから」
『麻也と同じ部屋じゃなかったっけ』
「…今日は、1人部屋」
『わかった』
「メールの音も聞こえないから、電話ね」
『うん 笑』
「…じゃ、明日の朝よろしく」
『おやすみ、篤人』
「…おやすみ」
プっと切れた電話。
それでも耳に残っている恋人の声に、また心が弾んだ。
翌朝。
俺を起こしたのは心地のいい声じゃなく、「ウッチー。朝飯食いに行こー」という、同部屋の顔長男の声。
時計を見ると、7時20分。
「…先行って」
「そう言ってウッチー、また寝るんだろ 笑」
「いいから、先行け」
「はいはい。寝起きのウッチーは、機嫌が悪いな 笑」
苦笑いしながら、顔長男が部屋を出て行く。
7時25分。
電話の向こうから聞こえたのは、愛しい声。
『おはよう、篤人。起きた？』
これで今日も、頑張れる。
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ぅき(プロフ) - 麻也さんの毛糸のマフラーと帽子のトコロ声だして笑っちゃいました（笑） (2015年6月13日 19時) (
レス) id: 4a1d64e5a7 (このIDを非表示/違反報告)
moe - お話素敵だし、面白いです！これからも楽しみにしてます！ (2014年1月7日 7時) (レス) id: 9b2f89ef4f (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - akさん» akさん、ありがとうございます！まだまだウッチーの愛は、続きます。『ラブセレナーデ7』も今日から始まりました。これからもお付き合い下さい！ (2013年12月23日 15時) (レス) id: 8dc9ee950c (このIDを非表示/違反報告)
rockin(プロフ) - みのりんさん» みのりんさん、ありがとうございます。『ラブセレナーデ7』、始まりました！これからもよろしくお願いします！ (2013年12月23日 15時) (レス) id: 8dc9ee950c (このIDを非表示/違反報告)
ak(プロフ) - 楓の気持ちもわからなくないんだけど、蒼のメールがとてもありがたい。追加メニュー至れり尽くせりですね。どれだけ好きなんだまったくー。……待ち遠しい。つぶやく内田さん可愛いなあ。笑 (2013年12月19日 12時) (レス) id: 4833591332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rockin
| 作成日時：2013年11月20日 15時
