ラブセレナーデ6

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何度かの優しいキスの後、徐々に熱さを帯びるキスに変わる。
私の肩を掴む篤人の手に、どんどん力が入って。
少しずつ荒くなる、篤人の呼吸。



このままだと篤人が止まらなくなる気がして胸を叩いて抵抗するが、簡単に手首を掴まれ自由を奪われる。


唇が離れ、篤人と目が合った。
強い欲望を秘めた瞳。


フっと笑った篤人に再び唇を奪われ、そのままベッドに押し倒された。



ドキンと高鳴る心臓。

両手の自由を奪われ、ゆっくりと篤人の唇が離れる。



私を見下ろす篤人。
欲望を秘めた目。
静かな時間。



「ビックリした？」と悪戯っぽく笑った篤人が、私を抱き起こした。




『…もう』
「A、顔真っ赤 笑。期待した？」
『…知らない』
「素直じゃないね」
『…』
「夜中抜け出して、この部屋に来てもいいけど」
『え？』
「だってA、俺が隣にいないと寝れないでしょ？」
『篤人がでしょ？』
「その時、今の続きしてもいいけど」
『…晴と、一緒に寝る』
「我慢出来るの？」
『出来る』
「ふーん」


ニヤリと笑った篤人が、私の首筋に顔を埋める。
次の瞬間、心地いい痛みが体を走った。



「これでも、我慢出来るの？」
『…変態』
「そうだよ。男は、みんな変態なの」
『…晴がお風呂から上がるから、もう行くね』
「本当に、この部屋で一緒に寝ないの？」
『寝ない 笑』
「本当は寂しいんじゃない？」
『篤人がでしょ？笑』
「素直じゃないね、Aは」


フっと笑った篤人に「明日の朝、7時にこのホテル出るから。晴ちゃんと話し込んで、寝坊しない様にね」と短いキスを送られ、この部屋を後にした。





「ウッチーの部屋に行ってたんでしょ。もうしてきたの？」

私の首筋を指差しニヤリと笑う晴に、顔が熱くなる。



『してないよ 笑』
「ウッチーって、独占欲強いよね。そのキスマークから、ひしひしと伝わって来る」
『あはは』
「A。ウッチーは、Aしか見えてないよ」
『…』
「さっき聞こえた 杏先輩 っていう人の事、気にしてるんでしょ？」
『…』
「ウッチーだって、彼女くらいいたでしょ。翠さんだって、そうでしょ？」
『…うん』
「大切なのは、今。ウッチーの恋人はAなんだから。胸を張りな」
『…うん』
「お風呂に入っておいで。早く、飲もう」
『ありがとう、晴』
「Aが思ってる以上に、ウッチーはメロメロだよ」




先程篤人が残したキスマークが、鏡に映った。

篤人の、愛情の印。



それだけで、私はこんなに幸せになる。

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