気まぐれネコとキミと -BTS＊V-2

危なっかしいキミ（V Side） ページ18

撮影は20分くらいで終わるかと思ったけれど、結局30分もかかってしまった。

きっとここまでやる気モードの僕じゃなかったら、1時間はかかっていたかもしれない。


時計を見るともう21時10分前。

撮影が終わると僕は真っ先にスマホを取り出しカカオトークの通知を確認した。


････まだAさんからの連絡はない。


そういえば、どこでクリスマスパーティーやっているんだろう。

それだけでも聞いておけばよかった。


とりあえず、宿舎に向かって帰ろう。



地下のタクシー乗り場でタクシーに乗り地上に出ると、いつの間にか雪が降っていた。
多分これは積もる雪。
ホワイトクリスマスイブだ。


20分くらい走ったところで、「ピコン」とスマホがカカオトークを受信した。

画面にはAさんの文字。

僕はぱっと起き上がり急いで開封する。



『じゃじゃーん！』

そこには日本語の文字とAさんの写真。


……これAさん絶対酔っぱらっている。


写真は、いつもより少し顔の赤いAさん。外で撮影した写真だった。
髪の毛はゆるくウェーブがかかり、ハーフアップの状態。
やっぱり、青いドレスがよく似合っている。



しかし、気になったのが彼女の格好。ドレスの上に薄いコートしか羽織っていないように見える。
肩には雪も見えるから、もしかしたら彼女は傘を持っていないのかもしれない。


『Aさん、どこにいるの？寒くない？傘は？』

僕は超高速で返信をする。

『酔ってないよ！大丈夫！』

すぐに彼女からも返信がきたが、肝心の場所は書いていない。

僕はじれったくなって、カカオトークの通話ボタンを押した。

数回呼び出し音がなってから「もしもし」と彼女が出る。

「あ、Aさん？大丈夫？今どこ？」

「ん〜、今？家に帰ってるところだよ」

「それで、どこなの？」

「語学学校の近く！歩いて帰ってるから大丈夫だよ」

だから危ないんだってば。
彼女が通う語学学校なら僕ももうすぐそこだ。

「すぐに向かうからあんまり動かないで。暗いところも歩かないで！」

彼女が本当に理解していたのか分からないが、はーいと元気に答え電話を切った。

声はそんなに酔っぱらっている感じではなかったけれど、そもそもこんな時間に薄着の女性が外を歩くのは危ない。雪が降っているのに傘も持ってなさそうだったし。



「運転手さん、とりあえず急いでください」

僕は運転手さんを急かした。

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