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蘭に言われた通り、家事を終えてソファに向かう。

仏頂面にも見える表情で座っており、私を捉えた視線とかち合った。何を言われるのだろうと身構えて居ると予想打にもしない言葉が投げられた。

「ここ、来いよ。」

ここ、とは蘭が座り脚を開いている間の事らしい。ソファは横に充分過ぎるくらいに長い。蘭の足の間にわざわざ座る理由が見当たらない。

罠でも張られているのか?まんまと引っかかって座ったら首絞めが始まる?

「早くしろよ。」

半ば納得の出来ないまま、指定された場所にちょこんと座る。

ふわりと背後から掛けられる掛け布団。ぎゅっと後ろから抱きつかれて、蘭は私の方へと身を寄せる。宇宙猫状態の私は思考が置いてけぼり。

でも、すぐに何がしたかったのか答えに辿り着いた。

体調不良で弱っている私に漬け込んで優しくしている間にこの前の浮気で怒った事実を揉み消そうとしているのだろう。

そして私が絆される未来を想定しているようだ。残念だけど、そう簡単に絆されてなんかやらない。

「なぁ、まだ腹痛てぇの?大丈夫?」

大きくて温かい蘭の手が腹部を優しく撫でる。自分で擦るよりも遥かに熱を孕んでいる気がした。

「大丈夫だから、そんな事しなくていいよ。」

やんわりと拒否してみるものの、どうやら蘭は折れる気は無いらしい。

「痛くねえなら良かった。ココア買ってきたけど淹れる?」

「お腹いっぱいだから大丈夫。」

会話する度に砂糖増し増しみたいな甘ったるい声が耳元で聞こえてくる。

ちょっとだけ、付き合ってた時みたいで胸がドキドキする。

もっと早く、こんな風になりたかった。

スキンシップは私を絆す道具じゃなくて、愛し合った2人から自然に生まれるものが理想だった。

不意にズキズキした。子宮付近では無く、恐らく胃の部分。年に数回、生理痛で胃も痛くなる事がある。

身に覚えがあり、空きっ腹に薬を入れたのが後になって祟ったらしい。少し休んでいれば良くなるだろう。

蘭の体温と布団の中の温度が混じり、暖かさが増す。眠くなってきたけれど、まだお風呂に入っていない。

お風呂に入らなきゃ、と思ってはいるのにこの状況もあり動く事が困難。

「A、眠い?ベッドまで運んでやろうか?」

どうして、優しくするの?今まで全然優しくしてくれなかったくせに。本当に身勝手な男。

「……お風呂入ってくる。」

絆される前に、浴室へと逃げるように蘭から離れた。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました!!めっちゃ面白かったです!!ありがとうございました!! (4月14日 19時) (レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…!ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです!更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2024年2月23日 0時

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