▼ひとりぼっちの鬼人。▼ ページ29
元々、明るいわけではなかった。
内気で、みんなの輪にも入っていけるようなやつじゃない。
いつまでもひとりぼっちで、誰も気付いてくれない。
私は鬼人だ。ただの生き残り。
シオンやシュナ様、ベニマル様達とも仲が良かった訳ではない。
けど彼らは"生き残り"という理由で、私を連れ出した。
それは、嫌なわけではない。
ただ、あのままひとり取り残されていれば、消えることができたかもしれない。そう思っていただけだ。
気付けば、みんなの後ろを歩くようになっていた。
一番後ろを、足元を眺めて歩く。
ただ怖かった。
彼らが怖かった。
それだけを覚えている。
いつしか、クロベエさんが刀をくれた。
これで自分の身を守ることぐらいはできるだろうと。
けれど、扱い方がわからない。別に、剣士として育てられていたわけでもないのだ。
きっと知っていても、刀は抜かないだろう。
そう考えていた。
いつのまにか、みんなの顔は強ばっていた。
久しぶりに、目線を前へと持ってくると、仮面を被った人がいた。
その人は、ソウエイもシオンも、みんなを殺さずに戦闘不能へと追い込んでいた。
これで私も、いなくなれるかな。なんて、考えていたのがバカみたい。
目の前に、その人がいた。なにもせず、私の顔を覗き込んでいた。
「どうして刀を抜かないんだ？」
そう、問いかけた。
けれど、ベニマル様が怒った様子で「刀を抜け」と叫んだ為、刀を抜こうとした。
「無理するな」
そう言われ、私の意識は途切れた。
それから目が覚めたのは、夜だった。どこかの町にいた。
どこかの家の中にいた。
外は晴れていて、次の日になっていたのだろうとわかる。
そんな中、みんなが入ってきた。
「あ、起きたのか。良かった」
そういって、私が座っていたベッドに腰を掛けた。
「じゃあ、お前らに名前をやろう！ないと不便だろ？」
そして、名前をくれた。
私にはAという名前を。
その瞬間、自分の中から、なにかが沸き上がる感覚がした。
これが、進化なのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しらたま(プロフ) - ハムスターさん» 了解しました〜！！そこは私も何とかするので大丈夫ですっ！(？) (4月18日 14時) (
レス) id: a300713acd (このIDを非表示/違反報告)
ハムスター - リクエスト失礼します！人間を食べないと生きていけない夢主をリムルがなんとかするっていうのが見てみたいです！なんとかするってなんでしょうね… (4月18日 12時) (レス) @page41 id: a63b797da1 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - さらに、続編の1話目を飾るリクエストを一つだけ募集させていただきます！先着一名様ですので、早めのコメントお願いします。それ以降のリクエストは続編にて受け付けさせていただきますので、メモなどを取って、忘れないよういてくれると嬉しいです！！ (4月18日 9時) (レス) id: a300713acd (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - 皆さま、たくさんのコメント、そしてリクエストありがとうございました！【俺がずっと守るから】は、すず様のリクエストで続編まで持っていかせていただきます！！尚、リクエストはまだまだ受付中ですが、続編が完成し、投稿するまで待っていてくださると嬉しいです！ (4月18日 9時) (レス) id: a300713acd (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - すずさん» リクエストありがとうございますっ！是非とも書かせていただきます〜！！💕更新までしばらくお待ちくださいませ！！😉👍️🎶 (4月16日 20時) (レス) id: a300713acd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたま | 作成日時：2023年7月26日 20時
