【東リべ】伝説の女隊長壱 (ページ25)

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『そんなに急に呼び出して良かったの？』

今日は武蔵神社で集会がある。

大事な集会だ。

そこに武道を呼ぶため、ドラケンが武道に電話をしていた。

「あ？来るだろ、あいつなら」

そりゃドラケンに電話されれば行かないという選択肢は無いよね、と苦笑を浮かべるA。

『あ、噂をすれば』

「よお、たけみっち」

マイキーがバイクに股がったまま武道の方を向いた。

「悪ぃな、急に呼び出して」

「お前なに彼女(ヨメ)なんか連れてきてんだよ」

「すいません、こんなになってると思ってなくて…」

『ヒナちゃん！やっほ〜』

すると、武道とヒナが静止した。

「…Aちゃん…！？」

武道が、か弱い声でそう呟いた。

「え…？Aちゃん…？」

ヒナが武道にそう聞き返す。

二人がここまで戸惑ったのには理由がある。

AがAではないからだ。

『あ…ごめん
私のこの姿を見るの、初めてだよね』

今のAの瞳は黒く、髪も暗い。

薄紫色の髪も深い藤色の瞳も黒くなっているのだ。

おまけに特攻服を着ており、肩幅も身長も違う。

初見でAだと気付く人はそう居ない。

武道が気付いたのは三日月形のピアスを見たからだ。

『普段の私はAなんだけど、東卍としての俺(・)はランダ
東卍には女は入れないから無理やり男装してるんだ
ごめんね、脅かしちゃって』

ヒナたちは納得がいったようでランダの話を聞いた後すぐに微笑んだ。

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「たけみっち、終わったか？」

ヒナにボコボコにされた武道に声を掛けたドラケン。

「すいません！おまたせしました！」

「おら集まれてめえら！集会初めっぞ」

こうして集会が始まった。

「「お疲れ様です！総長！」」

ここにいる全員がバッと頭を九十度に下げた。

その構成員の間にできた通路を歩いているメンバーは下の通りだ。

前から、マイキー、ドラケン、武道、場地、三ツ谷、パーちん、スマイリー、ムーチョ、そしてランダ。

マイキーが前に立つだけで、シンと静まり返る神社。

「今日集まったのは、愛美愛主の件だ
うちとぶつかりゃデカい抗争になる

んじゃ、皆の意見を聞かせてくれ」

そう言うと、階段に座り込んだマイキー。

マイキーの左後ろに立っていたランダがチラッと目線をやると、パーちんとペーやんが武道に絡んでいるのが見えた。

それを三ツ谷が止めに入っている。

横に居るドラケンに静かに知らせる。