You Get Strong ページ20
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「だから俺が、不良の時代を創ってやる」
決意に満ちたマイキーの声にAの瞳が揺れた。
「お前も着いて来い」
武道に向かってそう言った。
マイキーは立ち上がって続けた。
「俺はお前が気に入った、花垣武道」
すると今度はドラケンが口を開いた。
「喧嘩強ぇ奴なんていくらでもいんだよ
…でもな、譲れねぇモンのためならどんな奴にでも盾つける、お前みたいな奴はそう居ねぇ」
ドラケンが少し口元に緩やかなカーブを浮かべながら言った。
その言葉に武道の表情は凛々しくなった。
「考えとけよ、たけみっち」
ドラケンとマイキーが自転車に向かって歩いていく。
そんな中、Aは武道の隣に立った。
『…ねえたけみっち』
武道は少しAの方へ身体を向けた。
『…人ってさ、どんな時に強くなれるか知ってる？』
武道は目を見開いた。
Aの顔を少しだけ覗くと、Aの顔は真剣そのものだった。
「…どんなとき…」
『＿＿＿大切なものが出来た時、だよ』
「え…？」
『守りたいものがある、大切なものができた、助けたい人がいる
そういう強い思いが、人を強くする』
Aの薄紫色の髪が風で揺れた。
『だから、君はこれから強くなる』
Aは右拳を武道に向けて出した。
『私は…君を信じる』
武道はそのAの言葉に力強く頷いて、自分の右拳をAのそれに当てた。
その時のAの顔は、笑っていた。
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マイキーは不良だけど悪い奴じゃない。
少なくとも、祭りにトラックで突っ込んで、関係の無いヒナを殺しちまうような。
十二年後の《東京卍會》、そんな組織のボスでは絶対に無い。
…何がマイキーを変えたんだろう？
そして、一番の謎はAちゃんだ。
直人の調べ上げた東卍の内部情報に、Aちゃんの名前は一つも無かった。
女を巻き込まない東卍に属する唯一の女隊長。
そんな伝説の紅一点が居れば、名前くらいは直人の調査で出てくるだろう。
見落としか？
それにしても、Aちゃんの纏うあの空気。
どこか大人びていて、安心する。
現代のAちゃんは何をしているんだろう？
Aちゃんと現代の東卍との繋がりは…？
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作者名：myu | 作成日時：2021年11月15日 0時
