姫を助けに来たのだよ ページ4
『敦くん！行って！』
Aは異能を発動し、人形を敦の腕の中に移動させ、叫んだ。
敦は虎化した足でビルの側面を駆け上がり、隣の通りへ移動した。
思わず立ち止まった敦の目に映ったのは、黒焦げた車、脱線した列車、凡百処から燃え盛る炎、黒煙、瓦礫、そして倒れ込む人々。
敦が絶望的な顔をする間も、弾丸の雨は容赦なく降り続ける。
Aは、それから逃げる敦を見て感心した。
『凄い…矢張り敦くん、君は凄い』
白鯨から放たれる弾丸が掠ってすらいない。
Aが敦の後を追うと、ソフトクリームの様な変な顔と形をした置物が沢山並んでいたのが眼に入った。
『これは…！』
Aが何かに気付いた後、敦の方を見やると、敦の目の前に、燃料輸送車が見えた。
『…！敦くん！危ない！！』
Aは上を見上げ、弾丸が放たれるのが見えた。
その瞬間、Aは異能を使い、敦を自分の隣まで移動させた。
だが、猛烈な爆風はそこまで届き、Aと敦は吹き飛ばされた。
『ぐッ…！』
燃料輸送車による爆発は凄まじく、Aと敦は倒れ込んだ。
すると、Aの目に“彼”の姿が映った。
『遅…いよ…』
「済まないねぇA、王子様の登場だよ」
彼、太宰治はQの人形を手に取り、異能を発動した。
「君達の勝ちだよ、敦くん、A」
太宰は優しい笑みで二人に云った。
「太宰…さん…
此処は危険です…！空からの銃撃が…！」
敦が危険を知らせるも、太宰は余裕の笑みを浮かべた。
「それは如何かな？」
と、微笑んだ太宰は手の中にあった釦を押した。
すると、先程Aが見付けた可笑しな見た目をした置物から
『…真逆…此処まで読んでいたとはねぇ
どうせ、熱センサーも探査レーダーも感知させない特殊な煙なんでしょう？』
「まあね」
太宰はAに微笑んだ。
『…ほんと、アンタには驚かされる
敦くんが人形を届ける為に空から落ちてくると予想して街中にこんなもの仕込んでおくなんて…』
Aがふにゃりと笑った。
太宰は、Aだって此処まで全部君の作戦だろうに、と思って笑いかけた。
「まさか！
Aというお姫様を迎えに来ただけだよ」
なんて調子良く冗談を云う太宰につられて笑ったA。
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かなこ - 中也❤愛してるぅ (2021年11月19日 14時) (
レス) @page3 id: 84f9a9af20 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - RENKAさん» 本当ですか！！めっちゃ嬉しいです〜♡ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします♡ (2021年11月7日 14時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 最初から見させていただいてます！読みやすくて面白くて最高です！ (2021年11月7日 1時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - あいでっとさん» コメントありがとうございます！シリーズ3の話がいっぱいになりましたらこちらに移行しますね！もう少しシリーズ3をお楽しみ下さいませ！ (2021年8月23日 17時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 早く見たい…← (2021年8月23日 17時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：myu | 作成日時：2021年8月23日 13時
