【文スト】其の女、何故生きる③ (ページ23)

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自分を救済する為に生きるページ23

Aがミミックの拠点を訪れた日の昼過ぎに、カレー屋『フリイダム』を訪れた織田。

織田の手はお菓子などが詰められた紙袋を抱えていた。

…そして店に入った途端、その紙袋が腕から落ちた。

カウンターの椅子が床に転がり、棚が倒れ、机の上の物はぐちゃぐちゃに散らばっていた。

何があったのか頭の整理が付かない織田はキッチンを覗く。

と、そこには胸に銃弾を撃ち込まれ、血を流して倒れている店主の姿があった。

「オヤジさん！！！！！」

声を掛けるも反応は無し。

この店の上の階に居る5人の子供達の安否を確認しようと階段を駆け上がる。

子供達の部屋のドアを開ける。

そこは下の階と同じ様に荒れた様子で、二段寝台の縁にとある地図が貼り付けてあった。

すると、外から車の派手なエンジン音が聞こえた。

織田が窓から外を覗くと、白いワンボックスカーの中で助けを乞う子供達が居た。

織田は窓から飛び下りて車へ向かう。

……が、物凄い音と共に車から激しい炎が上がり、その爆風によって織田は後ろに吹っ飛ばされた。

_____「ならば御前が書け
それが唯一その小説を完璧なままにしておく方法だ」

「…もう、書けない
……俺はもう、小説を書くことは出来ない」_____

人はーーーーー

自分を救済する為に

生きているーーー

死ぬ間際にそれが判るだろうーー

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.

「Aちゃん？如何したんだい？」

Aは太宰に話があると呼び出した。

『ミミックにある手紙を届けよっていう任務を首領から仰せつかった
内容は、ミミックに差し出す餌』

Aは真剣な表情で話し出した。

『而もその餌にミミックが食らいつく事でミミック(敵)にもポートマフィア(こちら)にも利益がある、とか』

「…他に何か書いていなかったかい？」

『その文の最後に何かの地図と暗号が記されていた』

「……暗号？」

『確か…IXULLGDPX…』

Aは手紙の下に記されていた暗号を思い出した。

「…ッ真逆…」

すると太宰は突然焦燥の色を見せた。

『…何か判ったの？』

「…これはシーザー暗号といって、態と3つ後ろにアルファベットをズラすんだ」

暗号を元に戻すと、FURIIDAMU、つまり『フリイダム』の事だった。

『真逆、親父さんとさくら達を餌に…？』

そう考えたAと太宰は現場へと急行した。