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ｳｨﾘｱﾑ「あの日…
赤の他人が自分の全てを懸けて共に大罪を背負う覚悟を見せてくれるなど思いもしなかった…
あの時僕は運命を感じました
兄さんの誓いが僕達を血よりも濃い心の繋がりで結びつけたんです
僕にとっては兄さんのあの依頼こそが
ずっと心の支えでした
弱いのは僕の方なんですよ
人は弱い…
1人では生きていけない
仮に兄さんが弱い人間なのだとすれば
だからこそ弱い者の気持ちが分かり悩み苦しみを抱える人の手を温かく包む事が出来るのだと僕は思います」
ｱﾙﾊﾞｰﾄの頬に涙がつたる
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「…そうだな…
人は…
不完全が故に愛を求め合う
元より完全ならば愛など必要ないのだからな…」
ｳｨﾘｱﾑ「兄さん…
あなたの弟に、あなたと兄弟になれた事
それこそが僕の誇りです」
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「…私もだ
私もお前を誇りに思う
我が弟よ…」
ｳｨﾘｱﾑ「僕は最後の事件で死ぬ運命なのだと決めつけていました…
多くの人を殺めた苦しみから自分だけ逃れようと
いつしか自分の死を何より優先していました
兄さんやA、ﾙｲｽや皆が共に罪を背負ってくれた事…
その思いを無視して己のｴｺﾞに走ってしまった
Aにも何度も言われていたのに
…とても身勝手な事をしたと思ってます
死は償いにはならない
今ならそう断言できる
だからこそこの身の命尽きるまで
僕は生きて罪を償っていくつもりです」
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「私には己自身と…
そして犯した罪と向き合う時間が必用だった
その内省無しには償いなど何の意味も成さないはずた
…ｳｨﾘｱﾑ
我々の手足に掛けられた枷は重いまま…
この先どんな償いをしたとしても永遠に解き放たれる事はない…
だとしても
煉獄の焔で燃え尽き果てるまで
この命
贖罪の為に捧げようではないか」
ｳｨﾘｱﾑ「はい
共に参りましょうｱﾙﾊﾞｰﾄ兄さん」
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「Aそこにいるのだろう？」
ｱﾙﾊﾞｰﾄは扉に向かい、ﾄﾞｱを開けると
そこには涙を流すAがいた
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「おいで、A」
ｱﾙﾊﾞｰﾄはAを抱きしめる
A「ｱﾙﾊﾞｰﾄ…ｳｨﾘｱﾑ…っ」
Aは近くにきたｳｨﾘｱﾑを抱き寄せる
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「すまなかった、心配をかけたね…」
A「よかった…本当に…っ」
ｳｨﾘｱﾑ「A…」
3人はお互いの存在を確かめるように抱きしめ合う
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「さぁ皆んなで帰ろう
ﾙｲｽの元へ」
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作者名：Alice | 作成日時：2023年2月8日 16時
