絶対的エースの彼氏がイケメン過ぎる件。《３rd》

第103話 ページ9

YR side

弱っている優真を見るのは本当に稀なこと。

元々すごく我慢強いし、身体だって頑丈な人だ。

だからここまで、倒れるまで、何かに集中していたってことで。

咲夜からの話だと、挑戦、という題名の作品が優真にかなりこたえたのだろう、とのことで。

｢ふ、り、か……。｣

山田｢！！｣

優真の唯一の元カノ、梨花ちゃんは俺たちの中学校のマドンナみたいな子で、白くて、目がぱっちりで、ふわりとした笑顔が似合う、本当に可愛い子だった。

どれだけ優真を想っても、届かないんだ、と思い知らされるようなそんな感じ。

山田｢…俺の夢見てよ。｣

なんて、体調が悪い優真に何を言っているのやら。

｢りょう……？｣

うっすらと目を開けた優真と視線が絡む。
熱っぽくて色っぽい。

山田｢お粥作ってくるよ。｣

立ち上がると、腕を引かれた。

｢やだ、一緒いて？｣

山田｢ご飯は？いらない？｣

｢いらん、涼が、居てくれたらそれでいい。
涼しか要らない。ずっと、一生、そばに居て？｣

ズギュン、と心臓に矢が刺さったような感覚。

ﾄﾞｷﾞﾄﾞｷﾞとうるさい心臓を聞かないフリして、ベットの脇に座り込み、優真の手を握る。

山田｢ずっと、一生いるよ。｣

｢ん、ありがと。｣

それだけ言うとまた夢の世界へ戻って行った。

俺は優真の手を握って、すやすやと眠る優真を見ていた。

気がついたら寝ていたのは内緒。

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