絶対的エースの彼氏がイケメン過ぎる件。《３rd》

第110話 ページ16

山田｢優真！｣

夜8時を過ぎて帰ってきた涼に呼ばれ、自室から出てソファに移動する。

｢なぁに？｣

山田｢今年の記念日、空けておいて欲しい！｣

｢うん、スケジュール調整してもらって空けてもらってるよ。涼は？仕事大丈夫？｣

山田｢うん、俺も休み貰ったよ。あのね、それで、お願いがあってね。｣

｢うん？｣

山田｢今回は、俺に場所を決めさせてほしい、です。｣

｢え？｣

その言葉に今日の侑李の言葉を思い出す。知ってたな、侑李め。

｢いいよ？じゃあ今年は涼が場所決めてくれる？｣

山田｢うん！楽しみにしといて！｣

｢ふは、大丈夫。毎年、死ぬほど楽しみにしてるよ。｣

そう言うと、涼も俺も！と元気に返事をして携帯を開く。なにやらリサーチ中の様子だ。

｢もう飯食ったん？｣

山田｢うん、楽屋弁当食べてきたー。｣

｢なら良かった。｣

軽く頭を撫でて俺も携帯をいじる。

プレゼントどうしよう、なんて色んなSNSをリサーチしていると、最近はペアウォッチというものが流行っているらしい。

時計はアクセサリーとしても使えるし、ペアとは気づかれにくいという。

でも今どきApplewatchとか、便利なものもあるらしいし…と思ったが、涼は意外と腕時計派だったな。

俺もどっちかと言えばアナログ派だし、腕時計は昔からのくせで外せない。

そういえばこの時計もかなり古くなってきたな。

高校の頃友人に貰った時計はもう少し色あせていて、それはそれでいい味が出ていると思っていたが、そろそろ替え時かもしれない。

｢んー…。｣

まぁまだ幾許か猶予がある、焦って決めるものでもないしな。

今は鼻歌を歌いながらスマホとにらめっこしている可愛い涼を拝むことに全身全霊をかけようか。

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