47 ページ47
.
「A…」
私を見たジョンハンは、驚いたように目を見開いて、それから困ったみたいに視線を泳がせた。
私もなんて言ったらいいのか分からなくて、扉を閉めたあと、そのままそこに立ち尽くしてしまう。
そっと近づいてきたジョンハンは、俯いて視線を合わせないまま小さく呟いた。
「…ごめん」
その言葉に、私はハッと顔を上げるけれど、すぐに次の返事が出てこない。
「…もっと、早く気づいてあげられなくてごめん…。
俺がすぐ助けに行けなくてごめん、」
視線を落としたまま、ジョンハンはぽろぽろと零すように言葉を漏らしていく。その声色がなんだかとても寂しくて、私は横にだらりと垂れた彼の手を握った。
その手は最初は弱々しく、それからきゅっと強く私の指を握り返した。
「…別に、ジョンハンは何も悪くないでしょ…」
伝えたい言葉はもっとあるのに、彼の声にきゅうと喉を締められたみたいに苦しくなって、上手く言葉が出てこない。
目元に影を落とす前髪が風に揺れて、ちらちら見える瞳はあまりにも暗かった。
.
1181人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。(プロフ) - クマ!さん» そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです…!!続きも楽しんで頂けるよう頑張ります!ありがとうございます🥰 (2022年9月29日 3時) (レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
クマ!(プロフ) - このお話凄く好きです(๑˃̵ᴗ˂̵) 更新楽しみにしてます😆! (2022年9月28日 23時) (レス) @page28 id: d3bc43a704 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 凌さん» すみません、確認不足でした💦 ご指摘ありがとうございます!助かりました!! (2022年8月15日 10時) (レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
凌(プロフ) - お-リ-ふ-ラ外しましょう (2022年8月15日 8時) (レス) id: 10600dccf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:。 | 作成日時:2022年8月14日 2時