キラキラ【JH】

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　初めてちゃんと、ジョンハンの心に触れられたと思った時間だった。彼の言葉の全部が、静かに胸に染み込んできた。

　それなのになんだかあの唇に触れた熱のせいで、あの瞬間全てが真っ白になってしまって、今もまだ、どこか現実じゃないみたいな、夢みたいに身体がふわふわしている。
　何から考えればいいのか、今日はいっぺんに沢山入ってきて、頭がごちゃごちゃで、なんだかもう何もよく分からない。



　あのキスの意味はなんだったんだろう。せめていつもみたいにからかって、ニヤニヤ笑ってくれたなら。
　そしたら怒ったりとか、なんか、そんなリアクションを取れたかもしれない。



　それなのにあんな眼差しで。あんな熱を持って。
　まるで盗むように掠れた唇。


　ただ目を見開くことしか出来なかった。



　
　私は過ぎていく景色をぼんやり眺めながら、ただ意味もなくとんとんと指を膝で上下させる。

　どうしてキスしたのって、聞いてもいいのかな。
　それで、別に、とか、からかっただけ、とか、もしてきとうに流されたら、それは少し寂しいかもしれない。



　私、ジョンハンになにを期待しているんだろう。

　今の仲いい友達の関係が崩れてしまったらと思うと怖い。もう前みたいに、屋上で手を振れなかったらさみしい。でも、友達と、他人と、それ以外の関係がもしあるのなら。



　そんな、どこかくすぐったいような甘い思いが、浮かんではそのたびかき消して。その夜ジョンハンと交わしたメッセージは、なんだか不自然になってしまわないようにと必死だった。

　


　
　
　"頭、大丈夫そ？"
　"とりあえず病院では問題なしって。しばらく様子見ーて感じ"
　"期末テスト前なのに、Aの頭可哀想にㅋㅋ"
　"やば、忘れてたテスト……"
　"テスト勉強一緒にする？"
　"え〜…ジョンハン頭いいの？"
　"お前失礼すぎ。少なくとも2年の勉強くらいできます〜"
　"じゃー、一緒に勉強する？"
　"放課後屋上"
　"雨降ったら？"
　"LL教室、英語のとこ"
　"はーい"

　.
　

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