キラキラ【JH】

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　(JHside)


　
　



　一目見て分かった。彼女が、スンチョラが言ってた"めちゃくちゃ可愛い2年の転校生"だ、って。



　薄目を開いて見つめたその姿は、重なったまつ毛のせいでどこかベールがかかったようにぼやけていた。なんだかそれが一層神秘的で、｢綺麗｣と耳に届いたその言葉は、自分の心の声が漏れてしまったのかと思った。



　
　触らずとも、風になびく様だけで分かるさらさらの綺麗な髪、丸く見開かれた色素の薄い茶色の瞳は、太陽の光が差し込んでキラキラと宝石みたいに輝いていた。


　白くて柔らかそうな透き通った肌は、つい指を滑らせたくなる。風にのって鼻をくすぐったのは、甘ったるい香水じゃなくて、柔らかいシャンプーの匂いだった。




　｢……誰？｣

　｢転校生？｣

　なんて、白々しい演技なのに、コロコロ表情を変えるわかりやすい彼女が可愛くて、ついからかうのを止められなかった。嫌われたくないと思っているのに、彼女の中にどうにか自分を残したくて。


　
　ただ、一目見ただけなのに、もっと知りたいと思ったんだ。なにも飾り気のない彼女の反応は、なんだか新鮮で嬉しかった。
　だから俺も、学年一のイケメンとか天使とかそんなんじゃなくて、ただのユンジョンハンを知ってほしいと思った。

　





　｢またね、A｣


　どうかまた、この階段を昇ってきてくれますように。
　そう願いながらその後ろ姿を見送ったこと、きっと君は知らないんだろう。


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