16 ページ16
.
その日は朝からどんより雲が重くて、バタバタと洗濯物が音を立てるような、風の強い日だった。湿度の高いその風はなんだか気持ち悪くて、服がぺたぺた身体に張り付いてくる。
そしてついに雨が降り出したのは、お昼休みの終わりの頃だった。
ミンギュくんが「雨で次の大会グラウンドから体育館に移動になったよ」って教えに来てくれて、そしたらスンチョル先輩が「俺達も次体育館で体育だよ」って。
どうやら雨の関係で2.3年が合同になったらしく、体育館を半分こらしい。「じゃあ体育一緒じゃん！」ってジョンハンを振り返ったら、ちょっと悩むように首を傾けた。
「んー……Aは俺と体育一緒だと嬉しい？」
「うん！だってそんなの滅多にないじゃん！」
「…じゃ、出ますかね〜」
「なんだよ、Aちゃんには随分甘いな」
肘でつついて茶化してきたスンチョル先輩を、ジョンハンがちょっとうざそうにしてあしらう。
ジョシュア先輩が「じゃあ、後でね」と片手を挙げて、3人は二手に別れた廊下の反対方向に歩いていった。
「A、俺達も早く着替えて行かなきゃ」
「うん、行こう！……ってかジョンハンってさ、やっぱり全然授業出てないのかな」
「あー……まぁ、あの人は仕方ないんだよね〜」
「仕方ないって？」
ミンギュくんに顔を持ち上げたとき、ちょうど予鈴が鳴って、その話は遮られてしまう。
私たちは「やば」と顔を見合せると、慌てて更衣室へ向かった。
廊下の窓の外では雷が鳴り出していて、雨はますます勢いを増している。
私はただ、ジョンハンや先輩たちと一緒の体育っていうのが新鮮で嬉しくて、それだけだったのに。このなんでもない体育の授業がまさか、あんな事態につながっていくなんて、この時の私はまるで考えていなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。(プロフ) - クマ！さん» そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです…！！続きも楽しんで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます🥰 (2022年9月29日 3時) (
レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
クマ！(プロフ) - このお話凄く好きです(๑˃̵ᴗ˂̵) 更新楽しみにしてます😆！ (2022年9月28日 23時) (レス) @page28 id: d3bc43a704 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 凌さん» すみません、確認不足でした💦 ご指摘ありがとうございます！助かりました！！ (2022年8月15日 10時) (レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
凌(プロフ) - お-リ-ふ-ラ外しましょう (2022年8月15日 8時) (レス) id: 10600dccf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：。 | 作成日時：2022年8月14日 2時
