△ 青い夜を越えていく ページ3
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「きはちろー。朝だよー、朝だよー、朝だよー。………何回言えば起きるんだこの人」
私は晴明梨花。普通の女子高生…では、ないかもしれないけど。まあ、今日から女子高生だ。
私が通う学校、私立忍術学園は有名なアイドル育成校だ。
…実は、ずっと昔、きっと誰も信じてくれないだろうけど、忍術学園は本当に「忍術」を学ぶ学校だったんだ。
私たちはその学校に在学していた生徒で、何故か今世の私たちに入学の書類が送られてきて、入学したらアイドルになっていた。
多分、学園長先生が調べて送ってきたんだと思う。
「喜八郎ってば！ 早く起きないと始業式遅れるって！」
「ん〜…あと、三十分、」
「それじゃあ完璧に遅れるって！ 今日から高等部だよ！」
学年分けで寮の部屋が割り振られる。大体二人部屋か三人部屋っていう決まりになってるんだ。
私と同室なのは、前世でも幼馴染だった綾部喜八郎だ。男と同室ってヤバくない？ なんて思われるかもしれないけど、意外と大丈夫だったりする。
それと、ユニットでもコンビみたいな扱いだから、色々相談だってしやすいしね。
まあ文句なら学園長先生に言うしかないんだけど。
「喜八郎、朝ごはん抜きにするよ？ ほらっ、早くおーきーてッ！」
「ゔわ…！？ もう、梨花〜、雑だなあ」
「雑だなあ、じゃないの！ 遅刻しちゃうじゃん！」
ほら早く着替えて！ と新品のブレザーを喜八郎に押し付ける。
喜八郎は「その前に顔洗わせてよ〜」と眠たげな目を擦りながら、ゆらりとベッドから立ち上がる。
喜八郎を待つ間に、今日必要なものをもう一度確認する。
…筆記用具、と、いつものノートと…。
アイドルだ、というとなんだか特別なように思われるかもしれないけど、でも根は普通の男子高校生だったり、女子高生だったり、学生だったりする。うちの学校に関しては、色々と癖が強すぎる気がするけど、ね。
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作者名：まいとりー。 | 作成日時：2022年8月17日 21時
