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其ノ十 ページ12

伊「じゃあ、そろそろ保健室行こうか一京。乱太郎と伏木蔵……えっと、一年生もいるからさ。紹介させてよ。」


『そういや僕は知らない子達ですよね?その子達って。』


伊「そうそう。いい子達だからきっとすぐに懐いてくれるよ。…………えっと、ってことでそろそろ一京から離れてもらっていいかな?ほら、竹谷も久々知も鉢屋も尾浜も委員会で下級生が待ってるだろうし、不破も長次と一緒に委員会行かなきゃだろう?」


八「そうですけど……」


兵「でも離れたくないし…」


雷「もう少し一緒にいたくて……」


三「そりゃ行かなきゃだめだけど…」


勘「A……もう少し…だめ…?」


『うん、駄目。みんなが行かないと下の子達が心配するだろうしさ。自分の仕事はちゃんとしなきゃね?その代わり、今夜はみんなで一緒に寝ようね。僕とハチの部屋集合で!』



一京がそう言って笑えば五人は「わかった!」「絶対だからな!」とすんなり離れて委員会へと走っていった。
それを見た六年生達は流石扱いがよくわかってるなぁ…と思いつつ自分達も委員会へと向かった。



伊「じゃ、僕達も行こうか。新野先生もお喜びになられるだろうな〜。表には出してなかったけどとても心配していたしね。左近と数馬は一京が戻ってきたのもう知ってるのかなぁ〜」


『………大丈夫……ですよね?きっと。』


伊「一京…?」


『ほら、五年の皆や先生方や先輩達は何も言わなかったですけど、今の僕ってとても異質ですから……傷だらけで怖がられないかな…とか、髪が白いの気味悪がられないかな…とか、ちょっと心配で……』



一京の進む足が止まった。
保健委員の子達が怖がったり気味悪がったりしないのは一京だってわかっていたのにどうしても、気持ちは後ろ向きになってしまう。
自分の異質さは鏡を見たあの日から感じていたから。
大丈夫だと分かっていても怖かったのだ。
そんな一京に伊作は「一京は馬鹿だなぁ」と言ってクスクスと笑った。



伊「左近も数馬もそれぐらいの傷や髪の色で怖がるような子じゃないよ。ほら、僕らは保健委員だよ?傷だらけの人なんて見慣れてるし、その髪だって一京が僕達に会う為に頑張った証だってみんな知ってるからさ。だから、怯えなくていいよ。もう、怖い物なんて何一つとしてないんだから。」


頬が緩んだ。


あぁ、やはりこの先輩は忍者に向かないほどに優しい。

あの頃と何一つとして変わらない。

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黒糖さんでーす - 良かったです (2023年3月1日 10時) (レス) @page13 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 一色識さんのこと、呼び捨てにしてしもうた。、、、すいやせん、 (2023年1月6日 1時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 一色識の作品は良いものばかりです。他の作品があったらぜひ、読ませて頂こうと思いやす(;´д`) (2023年1月6日 1時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 良い物語だったです。終わりまでみやした、うん。面白し、感動もあり良かったです!!!!コメント失礼しました (2023年1月6日 1時) (レス) @page13 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 素敵です!いつかは分からないけど、最新待ってます!頑張ってください! (2021年7月21日 6時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一色識 | 作成日時:2021年4月18日 21時

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