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「でかい犬はいいな。でかければでかいほどいいぞ。お前ももっとでかくなれ。俺のために(他人の口に牛乳を流し込みながら)」
「白昼堂々痴話喧嘩か?んな時間があるなんていいご身分なもんだ。そういうのは勤務時間外にでもやってろ。そうやって仕事を疎かにして時間を無駄にして、そんで上司に見つかってどやされた〜って後で泣いたって俺は知らねえからな」
「悪いな、これは俺の判断ミスだ。……なんて顔してやがる、アホ面が余計マヌケになってんぞ。何、俺が悔いを口にすると思わなかったって?バカ言え、俺をなんだと思ってるんだお前は」
「これでも手先は器用な方なんだぜ。なんせ昔っから妹にせがまれて、雑誌見ながら洒落た髪型に整えてやってたんだ。……想像つかねえって顔してんな。お前の中で俺は一体どういう人間なんだ……」
「俺と自己認識と周りの奴らからのイメージがまったく噛み合わねえ。どういうことだこれは……」
「これの花言葉は“愛の告白”、こっちは“無垢”、それは“博愛”。ん?ああ、そいつは確か“風変わり”だったか。ハハ、お前みたいでぴったりじゃねえか。……冗談だよ、んな真に受けんなって」
「ガーデニングが趣味……ってわけではないな。昔花屋でバイトをしてたことがあってさ、仕事してるうちに自然と詳しくなったんだよ。花言葉とかも調べてみると案外面白いぜ?知識はいくらあっても困らないからな、お前も時間があればそういうのを調べてみたらどうだ」
「自分は、自分だけは周りと違って努力しなくても煌びやかな未来が約束されている、なんでも手に入る、必ず報われる。……そう思い込んでやがる幸せな奴は一定数いる。……ったく、反吐が出る話なもんだよ」
「は、でかい猫ならうちにもいるだと?違う、そうじゃない……」
「おい待てそっちは逆方向だバカが!」
【生い立ち】
人間界の平凡な一般家庭出身。時に厳しく時に優しい両親と、1人の兄、弟、2人の妹の5人兄弟。父は魔法族で母は非魔法族。そんな2人から生まれた兄弟たちのうち、兄と自分、それから妹の1人が魔法族として生を受け、5年生になる年になれば順番に魔法界へ見送られて行った。魔法界には伯母がいる。ホリデーには毎年実家へ帰省していたが、終わり頃の数日間は伯母の家に3人で滞在したものだ。
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作者名:疫病 | 作成日時:2022年5月5日 18時