無防備な赤色【東海オンエア】

第27話 ページ28

としみつ「好きな人からメンバーって例もあったんだし、逆もいいんじゃねーの？」


俺は全然あり、とまるで私がりょうくんのことを好きみたいな感じで話を進める

この人には隠せない、そう確信した


A「…としみつがありでも、周りはなしだよ」

A「リスナーさんなんて特に、私達は男女関係ないっていうのが前提のグループなんだから」


もしもメンバーが許しても、もしもりょうくんが受け入れてくれても、世間の目は鋭い

私と誰かをくっつけたがる人も沢山いるけど、その逆も沢山いるのだ

少なくなったが私のアンチはまだいる。女いらないとか媚びんじゃねぇとか

そういうのを気にしない為にも色恋沙汰をせず女を捨ててこのグループに居続けた


私自身がその道を選んだから


としみつ「好きになっちゃいけない人なんておらんだろ」

A「おるんよ、ここには」

としみつ「おらん。リスナーとの恋愛はNGだけどメンバー間はNGなんて言ってない」

A「私にとってはNGなの」


みんなは言ってないけど、5年前私の心の中で決めたことなの

なのになんで意識し始めちゃったかな、なんで好きになっちゃったかな

りょうくんの態度が悪い、イケメンなのが悪い


としみつ「はぁ…頑固娘…」

A「うるさい童貞」

としみつ「童貞ちゃうわ！！」


童貞に恋愛語られてたまるか、こんちくしょう


としみつ「じゃありょうから好きって来たらどうするん？」

A「断るよ」

としみつ「両思いなのに？」

A「両思いでも、ダメなもんはダメ」


5年間かため続けてきた考えはちょっとやそっとじゃ変わらない

私の脳はもうそう出来てしまってる、OKだと思いたくても、頭がそう働かない


としみつ「俺そこまで考えてなかったなぁ、リスナーのこととか」

A「結成当時とは数が違うしね！」

としみつ「確かに」


私は今日イチ衝撃だったけどね、としみつの過去の恋愛話

まさか私のことそんなふうに思ってくれてたとは、予想もしなかったよ


としみつ「まぁ今日は飲もうぜ」

A「ゴチでーす」

としみつ「奢るとは言ってねぇわ！！」


騒がしいとしみつに久しぶりに心から笑う

いろいろあったけど、親友との飲みは最高だな


としみつが私を好きな人から仲間になったなら私だってそうなれるはず

青い彼とこんな関係になる事を祈って、グラスを傾けて喉を鳴らした

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