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呪いをあげるページ20

｢ねぇ貴将、どうなの？｣

ガチャンと、勢いよくコップが割れる。

テレビからはつまらない芸人のつまらない会話が響く。そんなつまらないものが俺たちの浅いツボを刺激し、笑わせてくれる。そんな夜になると思っていたが。

｢貴将が私のためにそうしてくれたって証があれば、貴将は私を残して死ねなくなるでしょ。｣

有馬貴将｢そうだな。｣

｢相変わらず無感情、無口。いいよ、私からやってあげる。｣

机の上にあるものを見て察した。ビール、五缶飲んだな。

有馬貴将｢人に脱がしてもらうのは久しぶりだな。｣

｢えー？私以外に初めてあげたん？｣

有馬貴将｢シャトーに泊まって、眠くて着替えるのも面倒だったときがあったんだ。そうしたら琲世がいつの間にか着替えさせてくれていた。｣

｢おっ、貴将も私のこと脱がせるんだぁ。えへへ、うれし。｣

ソファーがギシ、と揺れる。Aが不器用に首を噛もうとして......

｢だいすき。｣

寝た。

有馬貴将｢......こんな格好で寝るな、バカが。ベッドに行くよ。｣

｢うぃー......｣