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順平side
｢守られるだけなのは嫌だ｣
僕から視線を逸らすAにそう言いきった
強がって、我慢して、抱え込んで、時折漏らす弱音でさえ
作っているもののような気がして
ただ、彼の本心を聞きたかった、その一心で僕は言葉を連ねる
｢Aがどんなものを見ているのかは分からない、でも、ちゃんとAが思ってることを知りたいんだ｣
ただ、彼を、柊Aのその内側に抱えるものを、一緒に抱えたかった
けれど…彼から帰ってきた言葉は
『……わかんないよ、ボクが思ってることなんて。例えボクが見たものを知ったとしても』
｢…え……っ｣
予想とは全く違う、冷たいものだった
濁った影を落とす瞳がこちらを見遣る、出会った時よりも伸びた前髪に
隠れたその瞳を、僕は知らない
『知らないフリしてればいいのに、黙って守られてくれれば良かったのに、そしたら…お互い楽だったのに』
｢A…？…お、怒ってる……？｣
『怒ってる…のかな、わかんない。でも、すっげぇむしゃくしゃする』
普段は聞かない荒い口調の後、Aの手が僕の首筋に回されて
力の限りで引き寄せられた
周りの光を遮断するように彼の横髪が垂れ、直後に久しくしていなかったキスが落ちる
制止の声は出なかった、出す間も無いまま舌が絡められたからだ
けれどそれはいつになく乱暴で、暖かいはずの唇が冷たく感じて
愛しさを感じるはずのその行為が、酷く寂しいものに思えた
｢待っ……A、息…ッ…｣
酸素の回らない体に腕を回されて、苦しいほどに抱きしめられる
何とか出たその訴えは届かずに、生理的な涙が頬を伝うのが分かった
なんの反応も示さず、ただ機械的に行われるそのキス
それでも深くされれば息は苦しくなるし、背にゾワゾワとした感覚が走る
体の力が抜けていくのを感じる頃に、やっと唇は離された
息が吸えるようになった口で荒く酸素を吸って
突然入った光でチカチカとする視界の中Aを見上げる
けれどそこにあるのは、いつか見た光悦な表情をうかべたAではなく
ただ僕を見下ろす様があっただけだった
『ボクが思ってること、そんなに知りたいなら言ってあげるよ。ボクはさ、順平が生きてさえいればあとはどうでもいいんだよね』
酷く冷たい感情の見えないその声が、上手く思考の回らない脳へと響く
感情のみえない表情で、彼は続けた
『順平がボクのいない所で死ぬくらいなら、ボクの手の届くところに縛り付けてやる』
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リン(プロフ) - 待ってます。 (2022年10月18日 20時) (
レス) @page16 id: 432c239ec6 (このIDを非表示/違反報告)
網羅はじき(プロフ) - 何回読んでも最高です…本当に作者様に感謝！！全作品の中で１番大好きです！いつまでも更新待ってます！！ (2022年3月23日 23時) (レス) @page16 id: 06abef15a4 (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - わぁぁ！！ありがとうございます(；＿；)ほんと最高でした土下座。順平がただただ可愛かったです(*´`)これからも頑張ってください！！ (2021年8月1日 15時) (レス) id: 8b372f39fb (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - めっちゃ待ってました！リクエストなのですが休日をただただのんびり過ごす2人をみたいです！ (2021年7月21日 16時) (レス) id: 8b372f39fb (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - めちゃくちゃ面白いです！次の話を楽しみのして待ってます！ (2021年6月7日 7時) (レス) id: decf762b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅丸 | 作成日時：2021年4月16日 20時
