見物 ページ16
『やっぱないよなぁ…そんな近くには…』
八十八橋周辺の街並みを歩きながら、ボクはそんなことを呟く
『ま、そんな簡単に見つかってたら…そもそも受肉なんてしてないわな……、九相図は…』
悠仁らがバンジージャンプに勤しんでいる頃、ボクは別行動をして
真人らの侵入の際に奪われた九相図の調査をするべく周辺を捜索していたのだ
しかし、これといった呪力を感じることもなく、ただ虚しく時間だけが過ぎていく
『感知できないようになんか術でもかけてんのかなぁ…、さきに見つけれないならやっぱり…』
「あっ!いたいたA…!!」
ふと、後ろから名前を呼ばれて振り返れば
そこには新田さんの運転する黒の車がこちらへと向かっており
その窓から悠仁が身を乗り出してこちらに手を振っているのが見えた
足を止めていれば車はボクのすぐ横で止まり、その車の中には悠仁だけでなく
野薔薇や順平まで乗っているのが見て取れる
『みんな揃ってどうしたのさ、恵は?』
「任務の難易度があがっとかなんとかっていってて俺らは帰れって言うんだよ、伏黒の姉ちゃんが呪いにかかってっかもってのに…」
悠仁がそう言って不服そうにしている様子を見て、あまりの進みの速さに内心焦りを募らせる
ボクがいることで原作の進みに影響が出ていないといいが…と考えていれば
野薔薇が悠仁を押しのけるようにして身を乗り出してくる
「ついでに、もしあんたが手空いてるなら来て欲しいとも言ってたわよ、ホント舐めてくれちゃってんだから」
「Aは、確か……別の任務、があるんだっけ…?」
『あぁ、うん。残念ながら』
順平の問いにそれだけ唱えて、ボクはスマホで時間を確認する
そこにはちょうど夜と呼ばれる時間帯頃の時間が表記されており
恵が行動を起こすまでにそこまで猶予がないことを確認してから口を開いた
『ボクは行けないからさ、とりあえず君達だけでも恵のとこ行ってあげたらどうかな』
「最初っからそのつもりよ。あんたに何も言わず吉野連れ回したらあとが怖いもの」
『え、ボクそんなふうに思われてんの?』
野薔薇が呆れたようにそういったのを聞き届けた後、順平がこいらをみやって少し微笑んだ
「A、僕行ってくるね」
そんな彼への死の不安がきえた訳では無い、だが、今なら任せても平気だ
『うん、いってらっしゃい。気をつけてね』
ボクは、ボクにしか出来ないことをやるんだ。
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リン(プロフ) - 待ってます。 (2022年10月18日 20時) (レス) @page16 id: 432c239ec6 (このIDを非表示/違反報告)
網羅はじき(プロフ) - 何回読んでも最高です…本当に作者様に感謝!!全作品の中で1番大好きです!いつまでも更新待ってます!! (2022年3月23日 23時) (レス) @page16 id: 06abef15a4 (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - わぁぁ!!ありがとうございます(;_;)ほんと最高でした土下座。順平がただただ可愛かったです(*´`)これからも頑張ってください!! (2021年8月1日 15時) (レス) id: 8b372f39fb (このIDを非表示/違反報告)
カフ(プロフ) - めっちゃ待ってました!リクエストなのですが休日をただただのんびり過ごす2人をみたいです! (2021年7月21日 16時) (レス) id: 8b372f39fb (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - めちゃくちゃ面白いです!次の話を楽しみのして待ってます! (2021年6月7日 7時) (レス) id: decf762b40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅丸 | 作成日時:2021年4月16日 20時