吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話 4

○○編 2人がウェディング衣装選びをする話【零さんリクエスト】 ページ11

呪術師、それは命をかけて呪霊と戦う職業

よって呪術師には結婚願望が少なく、恋愛をするということですら

誠実な人ほどしにくくなるのだ


だが、その日は

2人の呪術師が、盛大な結婚式を挙げるための準備をしていた


『あ、順平順平、これいいんじゃない？』

｢ちょっ…ドレスは着ないってば…！｣

『冗談だって、本命はこっち。スーツだけど作りがオシャレだしどうかな？』

｢あ…確かに、かっこいいかも…｣


男性同士の結婚式、それはまだ世間に認知されていない分偏見もある

しかし彼らは心底楽しそうし、互いのスーツを選び合い

式場のセッティング案まで話していた

結局2人が選んだのは、シンプルなスタンダートデザインのスーツだ

当日に白手袋と胸にコサージュをつけたりする以外は本当にシンプルなツバメスーツ

女性のように華やかに衣装を身に纏う訳では無い、それでも

彼らならば例えどんな服装であろうと

【結婚】というひとつの契りを交わすことが出来るのだと

ある意味そういう意思表示なのかもしれない


『順平ならドレスも着こなせると思うんだけどなぁ…』

｢やっぱり冗談じゃなかったんだねッ？！｣

『ふふ、そんなに1人できるのが嫌ならボクも一緒に着ようか？両方がドレスきてヴァージンロード歩くの』

｢それは……ちょっと観客として見てみたいかも…｣

『きっと五条先生なんかは大爆笑するだろうね〜』

｢着ないからね？？？｣

『そりゃ残念だ』


くすくすと笑みを漏らすAを、少しむくれたように見やる順平

しかし順平にとっても結婚式をあげるというのは夢のようなことで

恐らく、いや、この先もう絶対に経験することがないものだ

そう考えた時に彼の脳裏には、Aのお願いを叶えてあげたい願望と

ドレスを着る羞恥心が戦っていた

そして脳内での乱闘の末に彼は言葉を絞り出した


｢…ど、ドレス……Aの前だけ…、なら……着てもいいよ…｣

『言ったね？』

｢えっ｣


言質は取ったぞと言わんばかりに順平の両手を取り、微笑みを浮かべるAに

順平はあるの事に気がつく

彼は学生時代から非常に策士だったということに



｢さ、最初からこのつもりで…！｣

『さぁて、可愛い恋人が着るドレスだもんね、ちゃんと選んで買わなきゃ』

｢え、買うの？！｣

『そりゃあ、買うよ。そしたら色んなことに使え((んんっ、記念になるし』

｢言い直したのバレてるからね｣


これは、近い将来起こる


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