吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話3

たらこさんリクエスト、順平くんが悪い人に悪いことされる話 ページ30

順平side


｢目ェ覚めたか？少し手荒くしたから起きないかと思ってたぞ｣

｢あ、貴方は……何が目的でこんなことを…｣


ガチャりと鉄格子の扉が開き、恐らく男であろうその人物が牢屋の中へと入ってくる

これだけの準備をしているのだから、それなりの目的があるはずだ

なるべく情報を聞き出して、この鎖をどうにか出来れば…

そんな僕の焦りは、次の一言で一気に寒気へと変わる


｢目的ィ？そうだな、一言で言ったら趣味だ｣

｢……は？｣

｢お前みたいな黒服が来ることは何度かあったが…基本逃げればバレなかった、でもよぉ…お前を見た瞬間にどうしても捕まえたくなったんだ｣

｢つ…捕まえて……何をするつもりなんだ…｣

｢あぁ？タイプな相手見つけて拘束してする事なんてひとつしかねぇだろ｣


冷や汗が流れる、何となくわかってしまった、どうせなら分かりたくなかった

挙げられた相手の口角にゾワゾワと背に悪寒が走る

こいつは…


｢安心しろよ、俺ァ優しい男だからよ｣

｢優しい人はそもそもこんなことしてまでそういう事考えないと思うんだけど？！｣


変人だ…ッ！！！

これはもう絶対にやばい人だ、命とかそういうんじゃなくて貞操が危ない！！

しかもよりにもよってタイプ？！お願いだからやめてくれ！！

趣味のために犯罪なんてしちゃだめだろッ！


｢リスクありきの幸福だよなァ、折角だから楽しまなくちゃなァ｣


魔の手が僕に伸びる、何とかしてこの場を逃げられないか、打開できないか

そんな冷静なことは考えられない

ただただ体が拒絶する、あぁ、こんな時、彼ならば……

そうだ……Aなら…



｢……ッ…A！！！！助けてッ！！！！！｣

｢A？あぁ……あの妙に顔のいいもう1人のやつか、あいつは好みじゃねぇから放置してあるぞ、まぁ今頃熊にでも食わr((【バキンッ】


男の言葉を遮るように、鉄格子の扉が吹っ飛んできて男の後頭部に直撃する

それと同時に長身の人影が牢の中へと入ってきた

ガリガリと金属製の鈍く光る物を引きずり、鋭く光る眼光でこちらを見やるのは

完全にブチ切れ状態のAだった


｢……ってぇな！てめぇ…どこから入って…｣

『何、しようとした』

｢あ？何言って…｣

『ボクの順平に、何しようとしたかって聞いてんだよ』

｢ヒィッ｣


その後、A我を失ったようにその男の顔の原型が無くなるほどに殴りつけたあと

ちゃんと僕も助けてくれた

彼が敵でなくてよかったと思い知った1件だ

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