吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話3

くーりっしゅさんリクエスト、順平くんが嫉妬する話 ページ31

順平side


｢A遅いな……何かあったのかな…｣


今日は久々の休日だ、折角だしどこか遊びに行こうか、とAに声をかけられ

僕は今渋谷のハチ公前に居る

何故寮から一緒に来なかったのか、と言うと

彼は前日任務があり、任務先で着替えてからそのまま渋谷に来るため

現地集合という形になったのだ

集合時間は11時、しかし現時刻は11時15分

今まで彼が集合時刻を遅れたことなんてないし、むしろ10分前には来ているような人だ

15分も遅れているなんてことはまず珍しいことである

メールをするも既読はなく、電話をかけようにもメールを見ていないのだから

なにか大事な用の最中なのかもしれない、なんてことを考えてしまい

なかなか通話ボタンを押せずにいる


｢お礼したいしちょっとくらいいいでしょぉ〜｣

『いや、待ち合わせがあるんで無理です…！』

｢そんなこと言わずに〜、お兄さんに悪い思いはさせないよ〜｣


ふと、聞きなれた声が聞こえて振り返る

人混みの中、一際目立つ端正な容姿と長身、そしてそれに群がるように

2人の女性が彼の周りを囲んでいる

言わずとも分かるだろう、その人物はAだ

Aはなるべく丁寧に断ろうとしているのか、崩れかけている笑みを浮かべながら

女性を振り切ろうと歩いている

だがその様子からしてかなりしつこいのだろう

彼が送れた原因もその女性たちであることが明確である


｢そんな待ち合わせ相手よりあたしらの方が一緒にいて楽しいよ〜？｣


ふと、女性のひとりがそんなことを言う

途端にずきりと胸が傷んだ

Aは男で、僕も男、本当は彼も女性の方が……

いや……違う、その痛みは、そんなお人好しなものじゃない

なんで…彼の隣に今たっているのが僕じゃなくて、あんな女の人なのか

AもAで、何故そこまで優しく断ろうとするのか

そんな黒い感情が胸を渦巻いた


あぁ、そうだ、これは……



｢A｣

『えっ、順平？』

｢あれ、男の子じゃん。それなら最初からそう言ってよ〜｣

｢友達なら一緒に来てくれればいいのに〜｣

『あんたら……いい加減に…！』



嫉妬だ。



｢Aは僕の恋人なので、退いてください｣

くーりっしゅさんリクエスト、順平くんが嫉妬する話→←たらこさんリクエスト、順平くんが悪い人に悪いことされる話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す