吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話3

たらこさんリクエスト、順平くんが悪い人に悪い事される話 ページ29

順平side


『順平もこの任務が終わったら3級かぁ〜、なんかしみじみしちゃうなぁ』

｢ここに来て2ヶ月も経ってないのに、こんなスムーズに上がっていっていいのかな…｣

『いいのいいの！それだけ順平が強くなれたって言うことなんだから！』


呪霊が度々見られるという田舎の山奥

僕らはそこの調査、そしてその呪いの討伐任務へと出ていた

一応監督も兼ねてAがそばに居てくれるため

仮に呪詛師や危険な任務だった場合でも多少の安心ができる


『にしても、本当に雑魚しか居ないね…今の順平なら秒で片付くよ』

｢秒ではないけど…思ってたよりも弱いのは同意かな…｣


そう、安心していた

それが、大きな油断だったのだ

呪霊のうちの一体を澱月の針が貫いたその途端

不可解な程に手応えのないそれはぐにゃりと変形し、その体に呪符の様な文字を浮かばせた


『……ッ？！順平！下がって…！！』


Aが直ぐに気づいて前に出るが、まるでそれを予想していたかのように

文字の刻まれた呪霊が鎖のように変形してAを拘束したのだ

ほんの数秒のその出来事が異常事態だと気づくのに、そう時間はかからなかった


｢Aッ！！｣

『順平ダメだ！！この呪霊は罠だよ！呪霊に見せかけた拘束トラップ、すぐに戻って高専に連絡を！！ボクは大丈夫だから！』

｢……ッわかった…！｣


戸惑いもあったが、それと同時にAなら大丈夫という信頼もあった

僕はすぐに彼に背を向けて走り出す、否、走り出そうとした

僕の逃げ道を塞ぐように配置されたダミーの呪霊が突如として目の前に現れ

澱月を出す間もないままに先程みた文字をその体に浮かばせる

しまった、そう思った時には時すでに遅し


『順平ッ！！！！！』


Aの声が耳に残ると共に、体を拘束される感覚と、恐らくダミー呪霊に刻まれた

術式によって起こされた爆風の衝撃で、僕の意識は闇へと落ちた


※


※


※

順平side(続)


ふと、ズキリと体に痛みが走って目が覚める、何度か瞬きをしていれば

視界に鉄格子のようなものが映りこんだ

すぐさまあたりの様子を確認しようと体を動かすが、金属の摺れる音と共に

両手が頭上で拘束されていることに気がついてそれを辞める

どうやら鎖と手枷には術式を封じる呪符がついているのだろう、呪力が使えない

牢屋、それも窓がないところを見ると地下

呪詛師の類だろうか、Aは無事だろうか

そんな思考が回る中、人影が動くのが見えた

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