そう言えばみんなボクが熱あるの忘れてない? ページ40
予め排水溝を通って逃げることを知っていたボクはすぐさま地面に呪力を伸ばす
伸びた呪力に引っかかった瞬間に波長を崩せば、運が良ければ殺せる
ただ、波長だけに集中して
周りの音を遮断した
そして、捉えた
『せいぜい死にやすくしてやる……!』
地の底、根のように拡がった呪力にかかった波長を全呪力でかき乱す
魂を直接トンカチで殴るような衝撃だ
その直後、呪力がほんの微かにしか残らないほどにまで衰弱したのを確認してから
ボクは集中で止めていた肺を動かした
「柊くん!奴が向かった方向は分かりますか!それと出来れば虎杖くんの手当を…!」
『多分、東南の、ここから数キロ、はな、…れた地点かと、だ、いぶ…衰弱…させて……』
「柊くん……?」
喉になにか詰まったように言葉が突っかかる
酸素を吸っているはずなのに酷く息が苦しい
肺が、心臓が締め付けられるように痛い
間接がズキズキと痛む
頭が割れるかと思うような頭痛がする
吐き気は酷いのに吐き出すものがないような胸苦しさが体を覆う
『……ゲホッ、けホッ……ッ?!…ぅ"…』
口を抑えた手のひらの隙間から生暖かい液体が漏れだした
地面にぽたぽたと落ちたそれは鮮やかな程に赤く、それが血だと理解した
理解した途端、視界がぐらついて、景色が横転した
「柊くん!!しっかりしてください!!…ッ?!君、熱が……!!」
『い、から…!彼奴……ま、ッ……ひと、はやく、にげ、られちゃ…ッ』
「よくありません…!今は君と虎杖くんの命が優先だ、貴方術式で無理に体調不良を押さえ込んでいたでしょう?!」
そうか、呪力が空っぽになったせいで、術式で熱を抑え込めなくなったのか
そうだ、そう言えばボクはまだ疲労熱が治っていないんだった
重くなる瞼に、恐らく七海さんが呼んだのであろう救急車のサイレンが聞こえる
これじゃあ帰った時…順平に怒られちゃうな…
それだけ思って、ボクは意識を闇に投げた
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紅丸(プロフ) - つなまよT2(旧ちょこばなな)さん» ひぇ、マジで来ていらっしゃるこんな駄作読みに来てくれてありがとぅぅぅ (2021年7月27日 23時) (レス) id: e4c9b10277 (このIDを非表示/違反報告)
つなまよT2(旧ちょこばなな)(プロフ) - ななちゃん好き!!!!こ○はだよ!! (2021年7月24日 21時) (レス) id: b8726aa5c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 好きです…←← (2021年5月5日 1時) (レス) id: ce721a0333 (このIDを非表示/違反報告)
おしゃけ - このような神作を作って下さってありがとうございます。愛してm(((すみません、きもかったす。 (2021年3月9日 22時) (レス) id: 926e830632 (このIDを非表示/違反報告)
紅丸(プロフ) - フーパさん» ガチ勢だからこそ出来る至難の業ですね……() (2021年3月2日 4時) (レス) id: c6adbfb1eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅丸 | 作成日時:2021年2月26日 20時