吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話【呪術廻戦】 (ページ18)

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例えば突然魔法使いが現れるような物語ページ18

順平side

熱い、痛い、形容しがたいほどのそれは

弱った僕を絶望させるには十分すぎる要素だった

僕のせいで傷ついたAくん

僕の弱さが引き起こした出来事、もう恨んだりする暇もない程に

ただただ苦しみが付きまとう

彼も、僕から離れていくのだろうか…当然だ、僕のせいで殴られているのだから

最初から、夢を見るなんて僕には烏滸がましい事だったのかもしれない

こんな、こんな腐ったヤツらを…どうにでもできる力が僕にあれば…

こいつらを呪えるだけの、覚悟があれば…

そんなことを考えながら、滲む視界をゆっくりと閉じた

その、直後だった

｢あぁああ"あ"あ"ッ？！う、腕が！腕がァ！｣

骨が折れ、肉が潰れる音

断末魔のような声が聞こえた直後、地を這うかのような声が続けざまに響く

『おい、約束が違ぇぞ』

｢いだぃッ！やめ、やめ"……ｯ｣

血に濡れて、氷よりも冷たい目をしたAくんは、無言でタバコを持った生徒の顔面を

校舎の壁へと勢いよく押し付けた

鈍い音が響くと共に、その生徒は気を失ったように崩れ落ちる

僕でさえ本能で恐怖を感じるその様を、殺意を向けられた張本人である彼らが

気づかないわけが無い

逃げようと体を動かした直後、1人は吹っ飛ぶようにフェンスに体をうちつけ

1人は何かにつまづくように転んだ

｢お、おま……いつの間に…｣

『悪い子には罰を与えなきゃでしょ？』

｢待っ……まっ…、い、いやだ…！死にたくない…！｣

『死ぬ？……はは、面白いこと言うね。簡単に殺してあげるほど、ボク優しくないから』

グリグリと足で頭を踏みつけたあと、彼はまるで石でも蹴るように其奴の腹を蹴った

誰一人として起き上がることが出来なくなった状況下で

彼はゆっくりと僕の方へと歩いてくる

思わず、恐怖で体が震え、目を瞑る

けれど、僕にそっと触れた彼の手は、まるで割れ物でも扱うかのように優しくて

ゆっくりと目を開ければ、そこには何故か、涙を流す彼の姿があった

｢なんで……Aくんが…｣

『ごめん……ごめんね、すぐに助けて上げられなくて…、顔、痛かったよね…ごめんね…』

子供のようにポロポロと大粒の涙を流し、僕の頬を撫でる彼は

先程まで殺気立っていた様とはまるで違う

ただの柊Aだった

『まだ、慣れてないから少ししか治せないけど…』

彼がそう言うと同時に、体の痛みが引いていく

それが彼の行ったものだと気づくまでに

しばらくかかった