〈開幕戦〉 ページ15
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《1番 ライト 小山A》
名前が呼ばれ、バッターボックスに立つ
booーーーー!!!!
聞こえてきたのは敵も味方も関係ないようなブーイング
杉本「…えっぐ。なんか俺まで心折れそうになってきたわ…」
宗「…まさかここまでひどいとは…」
福田「もうー!何やねんこれ!!A気にすんなよ!!」
みんなの励ましの声が聞こえる…が
そんなの今の私には必要がなかった
そんなことよりも
『(…野球ができるのがこんなに嬉しいことだったなんて)』
ワクワクが止まらなかった。バッターボックスに立つ高揚感。ここから見えるフィールドの景色。
すべてが心地良い。
ブーイングなんて気にしてる暇がなかった。
ピッチャーが腕を上げる
『(来た……!)』
甘めに入った1球目。
それを逃さず タイミングもミートも上手く合わせられた。
打球はショートの頭を超え、左中間に飛んでいく。
悲鳴と歓声の中を突っ走り、私は2塁ベースを踏んだ。
『(打ったんだ…私が…)』
ベンチを見ると皆が身を乗り出して喜んでいる。
嬉しくて嬉しくて私は思わずガッツポーズを作った。
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その後のバッターもヒットを打ち、私はホームに帰還した
頓宮「A〜!!よくやったぞ〜!!」
中川「A、かっこよかったよ」
紅林「Aさん、好きです。」
山下「Aさん!凄かったです!」
そう言って皆に頭をわしゃわしゃと撫でられる
監督「A、よくやったな」
監督にもそう言われて胸がギュッとなった
『! ありがとうございます!!』
その後も何度かヒットを打てて、守備もそつなくこなせたと思う。
それもこれも全てはオリックスのみんなのおかげ。
やっぱり大好きな場所だと思った。
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作者名:ばお | 作成日時:2023年12月30日 23時