前代未聞の女の子 (ページ13)

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いってきますページ13

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球場に着くとビジターであるのにもかかわらずたくさんのファンの人達がいた。

選手がバスを降りると黄色い歓声が飛び交う

『(人気すご…)』

そんな歓声のなか、一際大きな声が聞こえてきた

〝小山ぁ！！！お前オリックスから出てけや！！！！〟

______ざわついていた場が一瞬にして静まり返る

胸を突き刺すようなその言葉を飲み込む
後ろにいた圭太さんが心配してくれたけど何もなかったように再び歩き出すことにした

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杉本「あかん、ほんまイライラする…！！」

若月「A大丈夫か？気にすんなよ？」

『はい、大丈夫です。とりあえず今は試合に集中します！』

強がりではなく事実。今はどんな野次よりも試合が大事

そう言うと皆は心配そうな目で見つめてくる。

『ごめんねぺーた、こんな空気の中で先発とか』

山下「いやそれは全然…Aさんが一番なんで」

宮城「Aさん、オリックス嫌いにならないでくださいね、」

紅林「俺たちはAさんのこと大好きなんで」

困り顔で見つめてくる後輩たちがかわいくて仕方ない

『うん私もみんな大好き』

そう言うと空気は少し和やかになった気がする

頓宮「…じゃあ Aが活躍したらアイス奢ってやろうかな」

森「じゃあ俺はプリンやな」

山岡「いっぱい練習したんやろ？」

福田「せや！成果見したれ！」

宗「守備もめっちゃ頑張ったもんな！」

『っはい！頑張ります！』

颯一郎「Aー！頑張ってこいよー！」

宇田川「活躍、プルペンからみてるよ」

小木田「世代を背負って頑張れよ！！」

山本「A、おいで」

腕を広げて待っているのは同期たち
大好きでしょうがなくて走って向かう

優しくて頼もしくて楽しくて
同期とはそんな存在だと教えてくれた人たち

1人1人とハグをしながら『ありがとう』と伝える

山本「Aの努力、みんな見てるから。
　朝一番に来て練習して一番遅くに帰ってるのも
　休憩時間でもずっと自主練してるのも
　上手くなるために色んな人に話聞いてるのも…」

目頭が熱くなる。

野球が上手くなるように、ファンの人たちにも認めてもらえるように
その一心で頑張ってきた。

その頑張りが少し報われて気がした。

『…うん行ってきます』