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-Episode57- ページ9

肌が焼けるような暑さに目を開けると私は砂漠に立っていた。

どうして。

さっきまで夏油さんと一緒にいたのに。

辺りを見渡しても視界に広がるのは砂だけ。

『久しいな』

男の声。

振り向いた瞬間に場面が変わった。

体が熱い。

足元を見るように下を向くと胸元に太い腕が突き刺さっている。

『あの男もこのように死んだのだったな』

「…がはッ」

言葉の代わり出て来るのは血。

『どの時代でも貴様は勝てぬのだよ。また寄生するのだろう』

「…れ……黙れ」

寄生?

『あれから何百年も経ったというのにお前はまだ近衛家を根絶やしにしたことに腹を立てているのか』

「あァ、そうだ」

口が勝手に動く。

近衛家?

女にも男にも見える人間が大きく笑う。

胸元に突き刺さっている腕が引き抜かれると大量の血飛沫が上がり砂を濡らす。

「開闢、寂滅、呪縛の終焉、極ノ番、手華無尽」

言葉と同時に目の前が真っ白になった。

それが落ち着くと視界に広がったのは白い天井。

首を横に倒すと窓を開けて外を眺めている五条悟がいた。

その姿はどこか寂しそうに思える。

「…ぁ」

空気と共に出た微かな声に五条悟が振り返った。

深い溜息をつきながらベット横の椅子に座って私の顔を見た瞬間顔が引きつる。

五条「なんで泣いてんだよ」

「え?」

片手で目元と拭うと濡れた。

そうだ、私変な夢を見ていたんだ。

私なのに私じゃない誰かと女の人みたいな男の人が砂漠で話をしてて…。

それでどうなったっけ?

夏油「悟、Aちゃんの調子はどうだい?あ、起きてた」

五条「処理は終わったのか」

夏油「あァ、さっき終わったところだよ」

処理?

夏油「覚えてない?私達、任務に行ってたんだよ」

「あ」

五条「呪詛師のことは?」

「怖いフードを被った人達でしょうか?」

夏油「そう」

隣のベット近くにあった椅子を持って来る夏油さんが答えた。

夏油「一人は、両腕切断。もう一人は両足切断」

「だ、誰がそんな惨い事を……」

五条「お前だよ」

はっきりと耳に届いた言葉に背筋が凍った。

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年9月2日 9時

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