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-Episode60- ページ12

口を閉じると血の味が口に広がった。

唾を吐きたかったがそんなはしたないことは出来ないでいると口元から血が出て顎を伝う。

五条「ってーな」

夏油「Aちゃん、もう勝負は終わりだよ」

掴んでいる手を離して立ち上がると家入さんが落ちた歯を拾ってくれた。

頭を下げるとハンカチを渡されるので急いで水道に行く。

口の中の血を吐いて、水で口の中をゆすぐ。

水に混ざった血が排水口に流れて行く。

その様子を見ていると視線を感じる。

顔を上げたが誰もいない。

「気のせい…か」

家入さんから貰ったハンカチを濡らして殴られた頬を押さえてグラウンドに戻る。

夏油「おかえり」

ベンチに座っている五条悟に睨まれた。

灰原「どうして避けなかったの?」

「あー別に勝負は一本取ったほうが勝ちじゃなかったから」

灰原「そっか!五条さんはそう言ってなかったもんね!」

家入「これ歯」

「あ、ありがとうございます」

薄っすらと血がまだ付いた歯を受け取る。

歯医者行こう。

夏油「久しぶりに悟が地面に倒れたの見たよ」

五条「っせ」

夏油「Aちゃん、体術得意?」

「いえ」

灰原「また体が勝手に?」

七海「最近、多い気がします。そう言う術式か何かですか」

「えっと…多分、違う」

灰原「えーじゃあどうして?」

首を傾げる。

灰原「天与呪縛?」

七海「それは無いでしょう。四級ですし」

「七海!一言余計!」

家入「硝子ー」

グラウンド上から聞こえて来た声に視線を向けると巫女の様な服を着た女性ともう一人の女性が階段を下りて来ていた。

庵「あ、Aも久しぶり」

「え?」

私のこの人と初対面のはずなのに。

冥冥「歌姫、どうやら別人のようだよ」

庵「え?そうなの?」

五条「あァ」

庵「こんなに似てるのに?」

巫女の服を着ていない女性の顔が近づく。

冥冥「でも、微かに匂うね」

庵「名前は?」

「う、鵜久森Aです」

庵「そう。階級は四級?」

「そうですけど」

庵「また上層部の圧力ね」

冥冥「妙な術式がかかっているな」

夏油「やはりですか」

冥冥「あァ」

「あの私がどうしたっていうんですか?」

五条「知らなくていい」

冷たい声が私にはっきりと聞こえた。

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年9月2日 9時

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