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-Episode23- ページ24

お互いに走り出したのは同時だった。

銀色に輝く刀が俺に向かって来ている呪霊の頭部を貫く。

その間に一体を払う。

すぐに残りの二体に視線を向けると近衛Aが髪に付いている髪紐を解いていた。

薄暗い廊下で舞う暗い赤髪。

会って数日の彼女からは考えられないぐらいに上がった口角。

獲物を見つけた様な鋭い赤く光る眼光。

まさしく獰猛な獣の姿に手が止まった。

右手を振り上げた先にある鎖鞭。

髪紐に触った時に変な感触はしたがまさかあれも呪具だと思っていなかった。

矢先が繋がった様な鎖鞭は呪霊の首に巻き付き千切る。

頭部が俺のつま先に当たる前に塵になり消えた。

鎖鞭は元の髪紐へ。

その髪紐で髪を縛っている近衛Aに視線を向けるといつもと変わらない俺を怖いと思っている目と目が合う。

「これで全部ですかね」

髪紐の事を言うと恥ずかしそうに髪紐を触ってから壁に刺さっている刀を抜きながらこう言った。

「今のように取り出すのが不便な時もあるので非常用ですね」

非常用。

きっとそれは人攫いなどの時だ。

コイツの生まれた時代なんて日常茶飯事だろ。

俺がそうだったように。

幾らの懸賞金が賭けられていたんだろう。

そんな事を考えながら廃ビルを出るまで考えていると近衛Aは迅速に後片付けを始めた。

その様子を向かいのビルの階段に座りながら観察する。

下ろしていた帳を解くと携帯で何処かに電話をした。

まぁ、警察だろ。

暫くすると数台の車が来る。

そこから下りて来た鑑識や刑事達と何か話をしていると俺の所へ来た。

「今から事情聴取があるので先に帰っていて大丈夫ですよ」

俯きながら目線を合わせず言われる。

五条「そんなかからねェだろ」

「でも、待たせてしまいます」

五条「別にいい」

「わ、分かりました」

最後に小さくなるべく早く片付けますからって聞こえた。

小走りで刑事の元へ戻る近衛Aの背中に俺は疑問を投げかけた。

どうしてお前は呪術師をやっているんだと。

Satoru Gojo side end

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年8月8日 22時

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