~fyrtiosju~ ページ48
「耳、千切れてませんか？」
正面のソファに座らず私の隣にまた座った教授に聞く。
ス「読んだ本には、何が書かれていた」
「…この眼の魔法を使うと喀血と自分の寿命を失うと書かれてしました」
言葉に出すとその重大さに胸が苦しくなる。
ス「あれ以来、使っていないだろうな」
首を横に振った。
「昨日、本を読みに暴れ柳の所に行ったんです」
膝の上に握った手に力が入ってしまう。
「枝が折れていたから治って欲しいと願ったら…」
深い溜息が頭上から聞こえた。
ス「顔を上げろ」
今の私は、絶対情けない顔をしているから上げたくない。
ス「聞いているのか」
「嫌です」
握った手に教授の手が重なる。
驚きに顔を上げてしまうと真剣な眼差しの教授と目が合う。
ス「Ms.ノジェイス」
「明日、死んじゃうんですかね」
ス「死んだらそれは、私の運命だと言っていただろう」
「やっぱり目の前に死を突き付けられると運命に抗いたくなるんですよ」
ス「らしくないな」
「え」
ス「我輩の知っているMs.ノジェイスは、目に涙を浮かべない」
「私も人です。時に目に涙を浮かべることだってあります」
目尻に溜まっている涙を教授の指先が掬う。
ス「賢者の石を耳にした事はあるだろうか」
「いいえ」
ス「その石を薬として飲めば不老不死を得る」
「不老不死」
ス「そうなればその眼と相性が良い」
「教授、お願いがあります」
ス「無理だ」
「じゃあ、不老不死なれと！もう無茶苦茶だ…だったら取って下さいよ！」
強い言葉を吐くと同時に溜まっていた涙が膝の上に握られた手に零れ落ちる。
片目での生活は、すぐ慣れる。
寿命が短くなるよりは良い。
ス「手を出せ」
「何をするんですか」
嗚咽交じりの声で返事をする。
教授はいきなり私に杖を向けたと思えば、私の手を取り手の平を切った。
紙で指を切った様な痛みに手を引っ込めようとするが力強く握られているせいで出来ない。
ス「同じ事を」
ローブの内にある杖を取り出して教授の手の平をなぞると綺麗に赤色の一線が走る。
手を握られる。
ス「今後、A・ノジェイス・ローレンが持つ甦生の眼の力を使った際、互いの寿命が減る誓いを今此処に立てる」
手を離そうとするが物凄い力で引き合わせられているせいで離せない。
ス「誓え」
「……誓います」
ゆっくりと手を離すと宙に浮いた私達の血が混ざり一つの血の誓いの結晶であるペンダントが出来上がった。
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ぷぷぷ - ダンブルドアって書かないのはあえてなのかな (8月22日 8時) (
レス) @page10 id: 5bee2b7465 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - フォールさん» フォール様初めまして！コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです。なかなか更新は出来ませんが生一杯頑張りますので完結まで長いと思いますがよろしくお願いします。 (2023年1月23日 21時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - めっちゃおもしろいです！どんな展開になるのか続きが楽しみです！！応援してます！ (2023年1月23日 20時) (レス) @page24 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 箱さん» 箱様、初めましてアルマジロです。コメントありがとうございます。箱様の素敵なコメントに凄く嬉しくて飛び跳ねそうです。これからも子の作品をよろしくお願いします。 (2023年1月18日 18時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年1月10日 23時
