~trettio~ ページ31
人の波に乗りながら『オリバンダー』と書かれている店を目指す。
いくら教授からお金を頂いたからと高い杖を買うのは辞めておこう。
また、お給料を貰ってから買いにこれば良いし。
手元に広げた地図を頼りに歩いていると肩に重みを感じた。
顔を横に向けると白い鴉の姿。
「もしかして君は、あの時の？」
話掛けても所詮、動物だ。
返事は無い。
角を曲がると狭くてみすぼらしい店を見つけた。
剥がれかかった金色の文字で扉に『オリバンダーの店』と書かれている。
埃っぽいショーウィンドウには、色褪せた紫色のクッションに、杖が一本だけ置かれていた。
ゆっくりと扉を開けて中に入ると、何処か奥の方でベルが鳴る。
天井まで整然と積み重なれた何千という細長い箱の山を眺めていると柔らかな声がした。
オリ「いらっしゃいませ」
店の薄明りの中から老爺が出て来る。
「こんにちは」
頭を下げながら挨拶をした。
オリ「今日は、どの様なご用件で？」
「杖を買いに」
小さく言うとほとんど鼻と鼻がくっつくほどに老爺が近寄って来る。
驚く声は出ず。
私は、老爺の瞳の中に映る私を見てしまっていた。
オリ「お名前は？私は、店主のギャリック・オリバンダーと申します」
「A・ノジェイス・ローレンです」
オリ「さて、それでは拝見しましょうか。Ms.ノジェイスさん」
老爺は、銀色の目盛りの入った長い巻き尺をポケットから取り出した。
オリ「どちらが杖腕ですかな？」
「ペンとかは左ですけど鋏とかは右で使います」
オリ「腕を伸ばして。そうそう」
肩から指先、手首から肘、肩から脇の下、頭周り、と寸法される。
オリ「Ms.ノジェイスさん」
「は、はい」
オリ「オリバンダーの杖は一本、一本、強力な魔力を持った物を芯に使っております。一角獣の鬣、不死鳥の尾の羽根、ドラゴンの心臓の琴線。一角獣も、ドラゴンも、不死鳥もそれぞれの個体が違うのじゃがから、オリバンダーの杖には一つとして同じ杖はない。勿論、他の魔法使いの杖を使っても、決して自分の杖ほどの力を出せないわけじゃ」
世界に一つだけの杖なんて絶対高額じゃん。
どうかお金足りますように。
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ぷぷぷ - ダンブルドアって書かないのはあえてなのかな (8月22日 8時) (
レス) @page10 id: 5bee2b7465 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - フォールさん» フォール様初めまして！コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです。なかなか更新は出来ませんが生一杯頑張りますので完結まで長いと思いますがよろしくお願いします。 (2023年1月23日 21時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - めっちゃおもしろいです！どんな展開になるのか続きが楽しみです！！応援してます！ (2023年1月23日 20時) (レス) @page24 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 箱さん» 箱様、初めましてアルマジロです。コメントありがとうございます。箱様の素敵なコメントに凄く嬉しくて飛び跳ねそうです。これからも子の作品をよろしくお願いします。 (2023年1月18日 18時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年1月10日 23時
