〜39話〜 ページ40
利き馴染みのあるスマホの音に目を覚ました。
手探りでスマホを探すが音は私のスマホから鳴っていない。
ゆっくりと瞼を開けると眩しい太陽の光にまた目を閉じてしまいそうになる。
細めた目で机の上に乗っている眼鏡を掛けて、乱れた髪を手櫛で直しながら部屋の扉を開けて廊下を挟んだリビングの扉を開けると祥太郎さんが眠そうな顔をしながら体を起こしていた。
森久保「ごめん 起こしちゃった?」
「いえ 私もこの時間に起きようとしていました」
祥太郎さんは大きく背伸びをして私の方に煙草を見せて来た。
「私も外の空気吸いたいです」
二人でベランダに出ると朝の柔らかな風と透き通った空気が体に伝わる。
風向き的に私に煙が掛からない様に煙草を吸っている祥太郎さんの背景には朝日。
この姿を今まで見た事がある人は何人いるんだろう。
私だけだったらいいな。
こんな綺麗な姿、他の人には見せて欲しくない。
森久保「どした?」
「あ、いえ」
祥太郎さんの指先が私の方に向かって来る。
銜え煙草。
声が出そうになるぐらいかっこいい。
森久保「ここ跳ねてる」
「寝起きなんですからしょうがないですよ 祥太郎さんもここ跳ねてます」
キラキラと輝く金髪の跳ねてる部分を指で弾く。
森久保「こら 危ないから」
「別に祥太郎さんの煙草なら嫌じゃないですよ」
私が言うと祥太郎さんの吐いた煙が顔にかかって目が染みる。
森久保「ほら 嫌になったでしょ」
「わざとは駄目ですよ ケホッ」
森久保「少し寒いから部屋戻って朝飯作ろ」
いつの間にか置かれたベランダの灰皿に煙草を押し付けて部屋に戻って行く祥太郎さんの背中に私は飛びついた。
森久保「わっ!!!っぶねぇ〜」
「えへへへ びっくりしました?」
森久保「びっくりだよ おじさんには丁度良い重さだから良いけどさ〜」
おんぶされたまま部屋の中を移動する。
「何食べたいですか?」
森久保「おにぎり」
「おじいちゃんみたいな事言いますね」
私がそう言うと降ろされた。
「え〜〜なんで降ろすんですか」
森久保「おじいちゃんとか言うから」
「祥太郎さんはかっこいい方でよよ おにぎりの具何にしますか〜?」
冷蔵庫の中身を見ながら言ってると後ろから抱きしめられた。
「祥太郎さん 何ですかぁ? くすぐったいですよ」
森久保「俺のことさ少しは男として見てくれてるの?」
低く呟かれた言葉に背筋がゾクゾクする。
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ユリア(プロフ) - アルマジロさん、お返事ありがとうございます。これからも頑張ってください!応援してます(^▽^)/ (2022年12月29日 15時) (レス) id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - ユリアさん» 初めてまして!コメントありがとうございます。素敵な作品と言っていただけて作者とても嬉しい限りです!読んでくださってありがとうございました! (2022年12月28日 20時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - とってもいいお話でした!この後の物語がどうなって行くのか色々と想像してしまいます!素敵な作品をありがとうございました(^▽^)/ (2022年12月25日 12時) (レス) @page46 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 豆腐さん» いつもコメントありがとうございます!これからも更新頑張りますので見て頂けたら嬉しいです!今後もよろしくお願いします。 (2022年6月16日 19時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - アルマジロさんが書く森久保さんや浪川さんのお話が大好きで更新される度にワクワクしながら読ませて頂いていました!次の作品も読ませていただきますが一先ずお疲れ様でした!! (2022年6月13日 20時) (レス) id: d034a9fa72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2021年12月28日 21時