〜34話〜 ページ35
鴎の鳴き声に目を覚ました。
昨晩も、何も異常無し。
「ふぁぁ〜」
大きな欠伸をしながら見張り台と甲板を繋ぐ縄を降りる。
とっととお風呂に入って寝よう。
私専用になってしまった猫足のバスタブにお湯を溜める。
その間に、前の島でウタが気に入っていた石鹸で塩まみれになった体を洗う。
――――――――――――ガチャ。
湯煙の奥に見える赤。
シャン「あ」
「‥‥お頭ぁぁぁああああああ！！」
その場にあった石鹸を強く投げた。
LIME JUICE side
シャン「A〜 機嫌直してくれよ」
「ふん」
ライム「あれ何だ」
ルウ「お頭が風呂覗いたらしい」
ヤソ「あの年頃の女は気にするからな」
樽の上に座っているAの髪を櫛で梳かしているお頭の姿は何だか面白くて船員の数人は腹を抱えて笑っている。
ホン「Aの裸か？俺見たことあるけどそれがどうした？」
吞気に、朝飯のホットドックを頬張りながら甲板に出て来たホンゴウが爆弾発言をした。
流石に、Aの耳にもお頭の耳にも聞こえており2人の視線がこちらに向く。
ホン「え？何？俺変な事言った？」
ライム「ホンゴウ お前歯食いしばったほうが良いぜ」
首を傾げたホンゴウが目の前から消えた。
「「おい！ホンゴウさんが海に落ちたぞ！」」
「「縄を降ろせ！！」」
ベック「何の騒ぎだ」
ライム「ん」
指差す方向には顔を真っ赤にして怒っているAの姿。
ルウ「あの樽の中 高い酒入ってたのになァ〜」
Aはホンゴウに自身が座っていたそこそこの大きさの樽を投げたのだ。
ヤソ「あー怖い怖い」
スネイ「なァ Aってアレ入ってたか？」
後ろでガブと怖がって隠れていたスネイクが俺の横に来て呟く。
ライム「どれだ？」
スネイ「アレだって…」
恐る恐る指差した方向はAの胸元。
いつも着ている黒いシャツのボタンは胸元が見えるか見えない所まで開いていた。
そこから顔を出しているのは俺達赤髪海賊団の髑髏マークだ。
ホン「俺が彫ったんだよ」
海水でずぶ濡れになって戻って来たホンゴウが言う。
だから、裸を見ただの言ったのか。
ベック「誰があんな不良に育てた」
ライム「残念だが俺達だな」
LIME JUICE side end
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
