〜33話〜 ページ34
再び目を覚ました時には、隣で眠っているはずのお頭はいなかった。
2人には狭かったベットは広く感じる。
シーツの上を撫でるとそこは既に冷たくなっており、ベットの主は随分と先に起きたのが分かる。
私もベットから降りて乱れた髪を手櫛で直しながら部屋を出た。
船が動いている感覚がしないのでいつの間にか船はフーシャ村に辿り着いていたみたい。
お頭はどうせマキノさんの所で浴びる様に酒を吞んでいるのだろう。
ホン「A」
食堂の前を通るとホンゴウさんとルウさんの姿があった。
「‥‥いつまでそうやってべそかいてるんですか!」
机を強く叩きながら言うと2人の肩が跳ねる。
ライム「よく言った ったくよー お前ら飯食いに行くぞ」
「え!ライムさんの奢りですか!?」
ヤソ「お前は見張り番だろうが!」
―――――――ゴンッ。
鈍い音と共に頭に痛みが走る。
「ったい!」
ヤソ「サボるなよ!」
「何時 私がサボってたんですかー べー!」
さっきまで悲しい顔をしていた2人に視線を向けると私とヤソップさんのやり取りを見ながら笑っていた。
ホン「A土産何が良い」
「マキノさん特製パンケーキ!」
ルウ「そこにブルーベリージャム乗せか?」
「あったり!流石ルウさん!」
よくウタと半分にしながら食べていたな。
私達、子供はホンゴウさんに健康管理をされていたから甘い物の大量摂取は怒られていた。
ホン「今日だけだぞ」
「はーい 行ってらっしゃい!」
船を降りて行く4人を見送る。
さてと、見張り番たまにはしっかりやりますか。
後ろを振り返るとモンスターがいた。
手には
受け取るとモンスターは何処かに行ってしまう。
私は渡された音貝のボタンを押した。
そこから流れ出したのはウタの歌声。
優しくて力強くて聞いていると荒れていた心が落ち着く。
鼻歌しながら見張り台に行く。
そこでうたた寝をしている船員と交代し、使っていた毛布にくるまる。
上を見上げると、薄っすらと1番星が輝きを放っていた。
ウタがこの先も、幸せに歌を歌えますように。
一番星に願いを祈った。
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2022年9月17日 23時