〜25話〜 ページ26
―――――――ポチャン。
水滴の落ちる音に目を覚ます。
シャン「起きたか」
いつの間にかお頭に背負われていた。
沢山の雨もすっかり晴れて、曇の間から太陽の光が射しこんでいる。
「あ」
私の声にお頭の足が止まった。
「見て下さい」
消えかかっている虹。
シャン「綺麗だな」
「はい とても綺麗です」
山を下ると私達を心配してかレッド・フォース号から数人こちらに向かって来ていた。
「お頭 降ろして貰って良いですか」
降ろして貰うとお頭が手を握ってくれるので自分の足で皆の元に向かう。
「ただいま‥‥ってホンゴウさん！？」
大粒の涙を流すホンゴウさん。
ライム「心配すんな 最近歳とって涙腺馬鹿になってんだ」
ホン「るせェよ」
ヤソ「おかえり」
ベック「相変わらず傷だらけだな」
「ウタは」
ルウ「此処だ」
ルウさんの足元にいるウタの前に行く。
「痛かったでしょ ごめんね」
ウタ「Aなの？」
「うん 私だよ」
両手を広げると腕の中に飛び込んで来るウタを強く抱きしめた。
ホン「こら あんま動くなよ 足折れてるんだろ」
「ウタ〜」
ホン「人の話無視すんな！」
頭を叩かれる。
ウタ「今日一緒に寝よう」
「うん」
ホン「だーかーらー人の話を聞けって！」
「ルウさん お腹空いた〜」
周りから笑い声が聞こえる。
また、此処に戻って来たんだ。
嬉しくて涙が出そう。
ヴァジュラ・ネーロ・D・Aもヴァレノーチェ・ネーロ・Aも私。
これからも私は赤髪海賊団のヴァレノーチェ・ネーロ・Aとして生きていく。
お頭の傍にいることで私は私でいられるから。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
