〜8話〜 ページ9
食事を終える頃には時刻は13時になっていた。
「ご馳走様でした」
森久保「いーえ」
私がお手洗いに行ってる隙にお会計を済まされていたようだ。
少しでも払うと言っても「男が払うのが当然だから」と言われてしまった。
「そういえば森久保さんも今日お仕事休みなんですか?」
ヘルメットを被っている森久保さんに問いかける。
森久保「ううん これからあるよ」
夜勤とかなのかな。
にしても変な時間だ。
不思議に思っていると森久保さんのバイクのエンジンが掛かる。
「また明日以降でもいいので以前使われていたアコギがどんな感じだったのか教えて欲しいです」
森久保「うん 言葉じゃ上手く伝わらないと思うから電話するよ 今日はありがとうね じゃあ」
「こちらこそ ありがとうございました」
手を振ってくれるので私も手を振って見送る。
森久保さんのバイクの音が小さくなった頃に私も自分のバイクに跨りエンジンを掛けアクセルを捻り公道に出る。
「あ」
森久保さんのハンカチ返さなきゃ。
どうせ同じマンションだし洗っておけばいつでも返せるか。
久しぶりに人に殴られたな。
まだ痛む口元。
きっと明日工房に行ったらお師匠や他の弟子達に酷く引かれるだろう。
帰ったら消毒して絆創膏貼らなきゃ。
そんな事を考えていると自然と溜息が出てしまいそうになるが我慢して深呼吸をする。
マンションの駐輪場にバイクを止める。
「また明日ね」
ボディを人撫でしてからいつも同じクラッシックがかかっているエレベーターに乗り込み7階のボタンを押す。
自宅のある階に辿り着きポケットから鍵を取り出して部屋の扉を開けて中に入ろうとすると近くから聞き覚えのある声が聞こえた。
声の方を見ると私の部屋の隣の隣の扉から顔を出している森久保さんの姿。
森久保「Aちゃんの部屋そこ?」
「はい ここです 森久保さんの部屋はそこですか?」
森久保「うん ここ」
確か隣は空き部屋らしいからお隣さんみたいな感じだ。
「偶然ですね」
森久保「びっくりしちゃうぐらいね」
笑っている森久保さん先程の服装とは違いラフな格好になっていた。
「お仕事頑張って下さいね」
森久保「ありがとう Aちゃんもゆっくり休んでね」
私が乗って来たエレベーターに森久保さんは乗って行った。
何だろうこの胸が躍る様な高鳴り。
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アルマジロ(プロフ) - 豆腐さん» コメントありがとうございます!また森久保さんの話書こうと思っているので是非見て下さったら嬉しいです!これからも頑張ります!! (2021年11月4日 17時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - とっても面白くて浪川さんの作品からいつも更新を楽しみにしていました!!リクエストというほどでは無いですが森久保さんが大好きなのでいつかまた書いて下さったら嬉しいです。今後も応援しています! (2021年11月4日 0時) (レス) id: a5eec28c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2021年10月2日 22時