〜22話〜 ページ23
「「ねぇ お姉さん お姉さんってば」」
森久保さんのスタジオに向かっている最中にたまたま通った居酒屋のキャッチに絶賛追い掛け回されている。
無視して歩いていると手首を掴まれた。
強く振り払おうと後ろを振り返ると思った以上に男が近くて驚いて固まってしまっていると男は口角を少しだけ上げる。
「「捕まえた」」
「離して下さい 私 これから大切な用事があるんです」
「「嘘 お姉さんラフな格好だもん これから男の所に行くような恰好じゃないよ」」
「ラフな格好で悪かったですね これでもこれから男性に会いに行くんです」
掴まれていた手を振り払い男に背を向けて歩き出すとまた手首を掴まれた。
「何するんですか!警察呼びますよ!」
大声を出したが口を手で覆われてしまいそれ以上大声を出せない。
「「しっー」」
暴れようとすると遠くから聞き馴染みのあるバイクの音が聞こえた。
多分だけど森久保さんのバイクだ。
口元を覆っている手を思いっきり噛むと男の顔色が怒りの顔に変わる。
私はその瞬間にバイクの音のする方向に向かって走り出した。
後ろから男が声を荒げながら追って来る。
振り返らずに全力疾走で走っていると目的であるバイクを見つけた。
丁度、信号待ちしていたので手を振るとバイクの運転手は私に気づきすぐに路肩に寄せヘルメットを外した。
森久保「Aちゃん!?」
「あ、あの人に追いかけられてるんです!」
すぐに私の事情を分かってくれたのか森久保さんは手に持っていたヘルメットを私に被せ後ろのシートを叩く。
森久保「乗って!」
すぐに手に持っていたギターケースを背に背負い、シートに跨り森久保さんの腰に手を回すとバイクは動き出した。
私を追いかけて来ていた男は呆然とその光景を見ていたのでもう追いかけて来ないでしょう。
安心しているとバイクは小道に入って行く。
住宅街の中に現れた割と高いマンションの駐輪場にバイクが止まる。
バイクから降りてヘルメットを外す。
「すみません」
森久保「何もされてない?」
「はい」
森久保「手首赤くなってる」
袖の所がめくれて手首が見えていたがくっきりと手で握られた跡が残っていた。
「こんなのすぐ消えますから大丈夫です」
森久保「Aちゃん 怖かったでしょ 震えてる」
「これは少し寒いからですよ」
森久保さんの目を逸らして言うと急に目の前が真っ暗になった。
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アルマジロ(プロフ) - 豆腐さん» コメントありがとうございます!また森久保さんの話書こうと思っているので是非見て下さったら嬉しいです!これからも頑張ります!! (2021年11月4日 17時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - とっても面白くて浪川さんの作品からいつも更新を楽しみにしていました!!リクエストというほどでは無いですが森久保さんが大好きなのでいつかまた書いて下さったら嬉しいです。今後も応援しています! (2021年11月4日 0時) (レス) id: a5eec28c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2021年10月2日 22時